2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

サラリーマンの味方「切腹最中」は、なぜ1日に7000個も売れるのか水曜インタビュー劇場(すみません公演)(5/5 ページ)

お詫びの手土産として、多くのサラリーマンが購入する「切腹最中(せっぷくもなか)」をご存じだろうか。1990年に発売したところ、当初は注目されていなかったが、いまでは多い日に7000個以上売れている。「切腹」という言葉が入っているのに、なぜヒット商品に成長したのか。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       

領収書を求めない

土肥: 切腹最中を購入したサラリーマンを観察していると、ある行動に気付きました。店の外を出て、サラリーマンは何をするのかというと、すぐにスマートフォンを取り出す。そして、地図アプリを立ち上げる。謝罪に行く会社にどうやっていけばいいのか、調べているのではないでしょうか。

渡辺: かもしれません。店は午前9時にオープンしているのですが、開店前に並んでいるサラリーマンもいます。おそらく、朝イチで謝罪に行くのではないでしょうか。話はちょっと変わりますが、仕事で手土産を買う人って、領収書を求めるケースが多いですよね。

土肥: はい。

渡辺: ただ、真剣に謝ろうとしている人は、領収書を求めないんですよ。どんな失敗をしたのかは分かりません。しかし、必死さや悲壮感のようなものが漂ってくる。そうした人を目の前にすると、声はかけませんが、心の中で「がんばってください」と言って手を合わせるようにしています。こちらは最中を提供することくらいしかできませんが、少しでもお役に立てればと。

土肥: ちなみに、私はサラリーマン人生を20年ほど送っていますが、まだ切腹最中を購入したことがありません。できれば、これからも買わずに終えたい。

渡辺: いえ、お待ち申し上げます(笑)。

(終わり)

連載が本になりました!:

 連載「仕事をしたら○○が見えてきた」が、『ササる戦略』(三才ブックス)というタイトルで書籍化されました。

 『自販機アイス「セブンティーンアイス」が30年間人気なのはなぜ?』『生野菜を食べる食文化がない中国で、マヨネーズの売り上げが伸びているのはなぜ?』など、業界が注目する12社から“ヒットの法則”を紹介しています。マーケティングや消費者の行動などを分かりやすく解説していますので、オススメの1冊です!

 →『ササる戦略』(Kindle版


前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る