だからミニストップの「ハロハロ」は売れている、知られざる“実験力”:水曜インタビュー劇場(シャリシャリ公演)(4/6 ページ)
ミニストップの「ハロハロ」が売れている。1995年に発売したロングセラー商品で、今年は7種類も投入する。同社は過去最高の売り上げを狙っているが、どのような人が購入しているのか。また、どのようにして開発しているのか。その舞台裏に迫った。
ハロハロは実験販売しなければいけない
土肥: ハロハロは毎年4月下旬に発売して、終売は9月ごろ。開発期間はどのくらいかけているのでしょうか?
山盛: どのくらいだと思いますか?
土肥: ハロハロの販売が終わって、「やれやれ、今年もオレたちがんばったね」と言って、体を休める。もみじが色づき始めたころから、「じゃ、そろそろ来年の商品を考えるか」と企画がスタートするのでは?
山盛: 残念、違います。商品によって違いますが、だいたい2年かけています。
土肥: え、そんなに? ちょっと長くないですか? 「来年はマンゴーでいくぞー!」と決まったら、マンゴーのほかにトッピングするのはコレとコレね。はい、発注。はい、完了。あとは、発売のタイミングを待つだけなのでは?
山盛: いえいえいえ、話はそんなに単純ではありません。なぜ開発期間に2年もかけるのか。新商品については「実験」をしなければいけないからなんです。
土肥: 実験? なんですかそれは?
山盛: 今年発売する商品は、昨年の春から夏にかけて実験販売をしているんです。ということもあって、企画はその前年に始めなければいけません。
土肥: 今年発売している「ドデカミン」とか「フルーツ杏仁」などは、昨年どこかの店で実験販売をしていたということですか?
山盛: はい。毎年、7〜9種類ほど実験を行っています。その中から、スコアのよかったフレーバーを翌年に発売するといった形ですね。
土肥: 実験はどこで行っているのですか?
山盛: 商品によって違います。同じ店ですべての商品を実験しているわけではありません。A店はこの商品で、B店はこの商品で、C店はこの商品で、といった感じ。ミニストップに行くと「当店限定の取り扱い」などと書かれた紙が貼っていて、それが実験をしている商品ですね。
土肥: どういったところを評価しているのですか?
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