アマゾンがアパレルに進出 何かが変わるかもしれない:“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)
アマゾンがアパレル分野での新サービス「プライムワードローブ」を発表した。このサービスによって近い将来、洋服の買い方が一変するかもしれない。
洋服の買い方が一変する?
SNSに全身写真をアップしたいと考える人は多いが、全身写真を自撮りするのは意外と難しい。エコールックでは、撮影した写真が自動的にクラウド上に保存されてしまうので、プライバシーについて懸念する声もあるが、全身写真を美しく撮れるという魅力は大きい。
専用アプリを使うと、自身のファッションチェックをすることもできる。2種類の写真をアップすると、色やデザインをシステムが解析し、どちらがよいのかアドバイスしてくれる。着る服に迷ったときにはありがたいサービスかもしれない。
エコールックとプライムワードローブは、当然のことながらセットで考えるべきものだ。両者が普及すれば、エコールックを使って最適なファッションをAIに提案してもらい、該当する商品をプライムワードローブ経由で購入するという一連の流れが成立することになる。
洋服を返品する理由としてもっとも多いのは、サイズが合わないことだといわれる。エコールックには、大量の全身写真のデータ蓄積されているので、使えば使うほど、サイズが合わずに返品するという確率も減ってくるだろう。
もし一連のサービスが本格的に普及した場合、洋服の買い方が一変する可能性が出てくる。季節の変わり目ごとに、どんな洋服が必要なのかを考え、個別商品ごとにお店を回って探すというのがこれまでの一般的な買い方だった。しかしAIがコーディネーター役となり、自動的に似合う洋服が送られてきて、必要なものだけ返品すればよいということであれば、一定数の人がこうしたサービスにお任せしてしまう可能性は高い。
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