コピーライターの独創性が役に立たない時代:“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)
これまで人間の感性が必須と思われていた仕事にもAI(人工知能)化の波が押し寄せている。数年後にはプランナーやコピーライター、デザイナーなどクリエイティブ関連の業務が激減する可能性もある。
臨機応変に広告コピーの内容を自動で差し替える
広告代理店大手の電通も17年5月、AIを使った広告コピー生成システムのベータ版を開発したことを明らかにした。
同社では以前から広告コピーの内容が実際の広告効果にどう影響するのかについて定性的な分析・評価を行ってきた。ある程度、データの蓄積がある。今回の取り組みは、こうしたデータに自然言語処理の技術を加え、AIを使って大量の広告コピーを自動生成するというものである。
担当者が広告コピーに盛り込みたいキーワードを複数入力すると、そのキーワードをうまく組み合わせ、最も効果的とAIが判断するコピーが大量に生成されてくる。担当者はその中から、プランニングしている広告に最適なコピーを選び出すか、AIが作ったコピーをヒントに最終的なコピーを考えることになる。
クライアントの考え方にもよるが、コピーライターが大量のコピーを作成し、その中からクライアントが気に入るものを選択するというやり方で制作を進めるケースも多いので、こうしたAIツールがあれば、その作業の生産性は何倍にも向上するだろう。
また、このシステムが本領を発揮するのは、広告における動的処理(状況に応じた広告文の差し替え)の分野である。
1つの商品やサービスに関する広告であっても、複数の状況を想定したコピーを大量生産することができれば、コピー部分だけを自動的に差し替え、臨機応変に広告の内容を変えることができる。同じコピーのまま一定期間、表示し続ける従来型広告より、費用対効果が高いことは明らかだろう。
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