神戸製鋼問題で世界が問題視する「日本企業文化」:世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)
神戸製鋼のデータ改ざん問題が大変な騒動になっている。自動車や航空機などで同社製品が使われているので、その影響は拡大していきそうだが、海外メディアはこの問題をどのように報じているのか。まとめてみると……。
日本人のイメージはどうなっていくのか
今、フェイクニュースや印象操作に対する批判が聞かれるようになっており、情報によっていかに人の考え方やイメージが左右されるのかが広く語られるようになった。このスキャンダルのような「事実」も、海外にいる人たちには、「メイド・イン・ジャパン」製品の実態として刷り込まれていくことになる。
世界各地を訪れ、世界各地の人たちとやりとりをする人は、日本の良好なイメージの背景に、戦後たちまち復興し、経済大国として世界のトップに上り詰めた日本の企業文化や製品クオリティーなどが大きく貢献しているのをよく知っている。
それだけに、その部分が失われたら日本人のイメージはどうなっていくのだろうか。一連の不祥事は、対外的なイメージにおいても残念でならない。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
筆者プロフィール:
山田敏弘
元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。
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