採用現場で「AI面接官」は普及するのか:HR Tech最前線(2/4 ページ)
ソフトバンクがエントリーシート(ES)選考にAIを活用するなど、採用業務の自動化が着々と進んでいる――。実は、こうした動きはESだけでなく「人がやるもの」と考えられてきた面接業務にも及んでいる。AI面接官「SHaiN」(シャイン)を開発したタレントアンドアセスメントの山崎社長に話を聞いた。
受験者をより細かく分析できる
――人の代わりに面接をするサービス、「シャイン」について教えてください。
山崎: 受験者の母数が最も多い「1次面接」を、音声認識機能を持ったシャインが代わりに面接して、評価をしてくれます。当社ではもともと、人物の資質を評価するための仕組みを顧客に提供してました。質問への回答内容から、受験者がどのような資質を持っているのかを分析する面接マニュアルのようなものです。そのメソッドを今回のサービスに応用しています。
――具体的には、どのようにして面接を行うのですか?
山崎: 受験者は場所を気にせずにスマートフォンやタブレットなどで受験をすることができます。また、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」にも対応しているので、企業で筆記試験などを受けた後に、Pepperに面接を任せるといった運用も可能です。
音声で読み上げられた質問に対して受験者が口頭で回答し、面接を進めていただけます。
答え方が抽象的で具体的ではないときも、人と同じように回答の趣旨を理解するまで掘り下げて質問してくれるのが特徴です。
例えば、「学生時代に最も努力した経験は何ですか?」という質問に対し、受験者が「アルバイトです」と答えると、「何のアルバイトですか?」「どのように努力したのですか?」と、具体的な回答になるまで自動的に掘り下げていきます。質問は100通り以上用意していますが、次の質問に移るべきかどうかも自ら判断し、受験者の資質を見抜くまでしっかり面接をしてくれます。
評価については、「自主独立性」「バイタリティー」「柔軟性」「ストレス耐性」など、11項目の資質を分析します。応募者が多く、面接時間をあまり確保できない企業の場合、ここまで多角的に分析することはできません。しかし、シャインを使えば時間を気にせずじっくりと質問ができます(最大90分間)。「ヒアリング」を自動化することで、企業は受験者をより細かく分析することができ、同時に採用業務を劇的に効率化できるようになるわけです。
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