サンフランシスコ「慰安婦像」の背景に、何があったのか:世界を読み解くニュース・サロン(3/5 ページ)
サンフランシスコで「慰安婦像」が設置された。この事態を受け、大阪市はサンフランシスコとの姉妹都市を解消すると発表したが、設置した関係者と議論することはできなかったのか。
“慰安婦”正義連合とはどんな組織なのか
もともと判事だった中国系米国人の女性2人、リリアン・シン氏とジュリー・タン氏が作った「"Comfort Women" Justice Coalition(“慰安婦”正義連合)」がサンフランシスコの設置を実現させたのだが、この“慰安婦”正義連合とはいったいどんな組織なのか。同連合によれば、メンバーはカリフォルニア州のサンフランシスコ周辺エリアや、ロサンゼルスなどを含む南部カリフォルニア、そして日本にも支援団体がいるという(参照リンク)。
団体の目的は、「何十万人という(慰安婦の)被害者や生存者のための正義をもたらす助けをすることである」とする。公式サイト内には、慰安婦は「40万人」とさらっと書かれていて、かなり盛っている感もある。もう少し冷静に慰安婦問題を提起すれば、建設的な議論ができそうな気もするが、活動とはどうもそういうものではないということか。
像については、「第二次大戦中の1931年から1945年に、11カ国の何十万という少女や女性が日本帝国軍によって性的に奴隷にされた。多くは中国、韓国、フィリピン、オランダ領インドネシア、さらにはビルマや東ティモール、日本、マレーシア、台湾、タイ、ベトナムなどといった国々の人たちだ。少女や女性たちは、強制的に、詐欺的に、また残忍なほど暴力的に、彼女たちの短い人生で毎日、搾取や言葉にできないような苦痛、拷問の対象になった。彼女たちは日本帝国軍の“慰安婦”だった。“慰安婦”とは要するに性奴隷のことである」と書かれている。
今回のサンフランシスコの慰安婦像設立には、一説には中国関連の組織が背後で動いたとの指摘も出ている。というのも、リリアン・シン氏とジュリー・タン氏のこれまでの活動は中国との関係がちらついているからだ。
シン氏とタン氏は共に判事をしながら、1997年に「Rape of Nanjing Redress Coalition(南京大虐殺救済連合)」を立ち上げ、『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者である中国系米国人作家のアイリス・チャン氏とも一緒に行動してきた。チャン氏は後に自殺するが、その直前には、シン氏とタン氏、そしてチャン氏の3人で、昭和天皇を起訴する模擬裁判まで行なっている。
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