韓国の米国大使がいつまでも就任しない理由とは:世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)
トランプ大統領が新政権を発足させてから1年が過ぎた。たくさんの問題を抱えているなかで、政府機関の要職が「空き」だらけであることも忘れてはいけない。なぜ、いまだに重要なポストに人が配置されていないのか。
朝鮮半島情勢をややこしくしないことを望む
チャ氏とトランプのタカ派路線が、どんな“化学反応”を起こすのか――。韓国ならずとも気になるところだろう。
1年を経過したトランプ政権。政策うんぬんよりも、まずポジションを埋めることができるよう、政権を機能させる必要がありそうだ。トランプ大統領は、「政権は世界で最も安定・機能しており、全ては計算通りだ」などとうそぶきそうだが、現実は機能不全、人材不足、人材流出で政権運営がスムーズではない。
これまでこの連載でも何度も指摘してきた通り、米朝が開戦する可能性はかなり低い(関連記事)。それでも、開戦をチラつかせながら暴言を吐き続けるトランプと、それに応える金正恩委員長の「プロレス」の間に立たされる韓国は油断できないだろう。これから就任するかもしれない駐韓米大使が、余計に朝鮮半島情勢をややこしくしないことを望む。
筆者プロフィール:
山田敏弘
元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。
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