私たちの心は「スマホ」に乗っ取られたのか:世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)
海外メディアを見ていると、以前からデジタル機器に人々が依存している問題が話題になっているが、最近、またスポットライトが当たっている。デジタル機器やコンテンツへの依存は私たちにどんな影響があるのか。調べてみると……。
デジタル機器から逃れられない世界
IT企業は、こうした取り組みに対して責任感をもつべきだという意見もある。その意見は分からなくはない。というのも、今の世の中、IT企業がありとあらゆる方法を使って、私たちユーザーを必死を取り込もうとしており、私たちの周辺はデジタル機器とサービスにあふれている。もちろん成人になれば拒否する自由もあるし、デジタル機器のない生活を送る選択もできる。
ただ判断力のない子どもたちが相手なら、彼らにもユーザーがアディクトする責任の一端がある。甘いお菓子を食べるよう散々宣伝しておいて、子どもの健康への影響は「知ったこっちゃない」という態度は今の世の中では通らない。
私たちはもうデジタル機器から逃れられない世界に生きている。そしてそれらが悪影響になりうるなら、その影響に真剣に向き合って対策を取る必要がある。特に分別がない子どもが相手なら、なおさらだろう。
筆者プロフィール:
山田敏弘
元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。
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