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イチローが戻ってきても、素直に「ハッピー」と言えない人の論理赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

イチローが6年ぶりにシアトル・マリナーズへ復帰する。本人は「ハッピー」という言葉を口にしたが、素直に喜べない人たちがいることも忘れてはいけない。なぜその人たちはアンハッピーなのか。その理由は……。

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「我の強いイチロー」はもういない

 イチローがマリナーズのクラブハウスを去ってから6年近い月日が流れた。その間、レジェンドはニューヨーク・ヤンキースで世界でも1、2を争うほどに手厳しい地元メディアにもまれ、そして数多くのスーパースターたちとチームメートになって彼らの品格や生き方などを学んだはずだ。

 マーリンズではチーム最年長選手として若手成長株の仲間たちから崇拝され、強固で揺るぎない信頼関係も築いてきた。外野手4番手として控えに回るようになっても文句など一切口にせず、フォア・ザ・チームに徹する献身的な姿勢はチームの首脳陣や球団幹部から「リアル・プロフェッショナル」と口をそろえて絶賛されたのも記憶に新しいところだろう。

 かつてのマーリンズ時代、毎年のように記録を次々と塗り替え続けた「我の強いイチロー」はもういない。だが、「自己犠牲を貫くイチロー」こそ、若手の底上げを目指し、主力にハッパをかけ、何としてでも18年ぶりのポストシーズン進出を果たしたいマリナーズにとっては救世主として適任であろう。

 44歳になっても群雄割拠の世界で戦い続けるメジャーリーガー、イチロー。彼の生き方には、日本のオジサンたちも熱き眼差しを向けなければいけない。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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