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「昭和の喫茶店」が廃れる一方で「ルノアール」が好調な理由長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/5 ページ)

低価格が武器のコーヒーチェーンが伸びる一方で、昔ながらの「昭和の喫茶店」が次々と閉店を余儀なくされている。喫茶店としては割高な料金でゆったりと過ごせる椅子やテーブルが特徴の「喫茶室ルノアール」が好調だというが、その理由とは?

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新業態店を成長させられるか

 一方、後発の椿屋珈琲店が大正ロマンの世界観でつくり込んだ手法により、コーヒー1杯で1000円前後にもかかわらず、43店を展開し繁盛しているのがルノアールにとっての脅威になっている。

 00年代には大正ロマンをテーマにした改装をしていたが、17年からは昭和モダン風の内装に変えてきている。日本的なやわらかさと西洋のデザインが融合した和洋折衷により醸し出される豊かな昭和初期をイメージしたという。さらに、キーコーヒーが心血を注いできた、トアルコ・トラジャコーヒーを新規導入している。

 ルノアールには女性や若者が入りにくい雰囲気があるとされるが、あまたある喫茶・カフェと同じようになるのでなく、これまで通り(むしろ今以上に)ビジネスパーソンやシニアに向けたサービスを究めていけば、差別化が進んで安泰だろう。出店余地は首都圏以外にもあるはずだ。

 郊外型であるミヤマ珈琲の実験段階は終わったはずで、あとはスピーディーな出店ができるかどうか。ルノアールに次ぐ事業の柱になってもらいたいものである。

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ルノアール店内に飾ってある「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」のレプリカ
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