出世するオジサンが、孤独の迷宮に入りやすいワケ:土曜インタビュー劇場(ぼっち公演)(5/5 ページ)
世界的に「孤独」が問題になっている。人の心や体に影響を与えると言われているのに、なぜ日本人は無関心なのか。孤独オジサンにならないために、どうすればいいのかというと……。
孤独という病から逃れる
岡本: なぜ孤独を感じるのか。脳から「人とつながりなさいよ」というサインが送られているからなんですよね。例えば、喉が渇いたら水を飲みたくなります。お腹が空いたらご飯を食べたくなります。喉が渇いたらつらいし、お腹が空いてもつらい。なぜつらくなるのかというと、水もご飯も人間が生きていくために必要なモノだから。
孤独もつらいですよね。生きていくために人とつながらなければいけないというサインが送られているのに、それを我慢しようとする。しかも、それが生き方としてカッコイイと受け止める。そこにオジサンの問題があります。
土肥: ふむふむ。
岡本: 先日、とある学生さんがこのように言っていました。「孤独というのは、自立や独立といった意味が含まれるので、他人に依存してはいけないということになる。つまり、孤独を否定するということは、依存を助長することではないか」と。
その学生は「孤独はカッコイイ」と言っていたんですよね。理由を聞いたところ、「集団主義的なところから出ていて、人と違うことをしているから」と言っていました。でも、本当にそうでしょうか。自立しなきゃ、自立しなきゃ、と思っていると、そのうちに孤立してしまって、気付いたら孤独になっているかもしれません。
過度に依存するのではなくて、適度にいろんな人に依存する。ときに人に頼って、ときに人に頼られる。そうした生活を送ることで、孤独という「病」から逃れられるはずです。
(終わり)
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