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センベロの王者 「晩杯屋」を創業者が手放したワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(後編)(5/5 ページ)
わずか10年で東京を代表する立ち飲みチェーンに成長した「晩杯屋」は、丸亀製麺を展開するトリドールホールディングスに買収された。なぜ、自力での成長を諦めたのだろうか。
晩杯屋の多店舗展開は成功するか
金子氏は、上には上の起業家がいると悟り、あっさり起業家人生を諦め買収を受け入れた。その代償として一生困らないお金を手にし、子どものころの夢だった「金持ちになること」は達成された。
金子氏は自らの起業家人生と井戸氏を早々に見切った。晩杯屋の将来を信用力があり、世界を目指すトリドールに託すことにした。トリドールならば1階路面でも店を出すことが可能で、マネジメントできる人材も豊富にいると判断したのだろう(トリドールは、「FC開発にかかわってきたエムグラントの処遇は協議中」としている)。
トリドールは晩杯屋の店舗数を500店まで増やすという目標を掲げているが、達成できるのだろうか。1年に10店ずつ出店しても50年近くかかる。1階路面の好適地がそんなに空いていると思えないが、困難を突破するトリドールの手腕に期待したい。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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