電話やメールでのコミュニケーションが不要になる日は近い:“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)
AI社会の前段階としてツールを使った業務の自動化や効率化に注目が集まっている。近い将来、電話はほぼ消滅し、電子メールでのやり取りも激減している可能性があるだろう。
有能な個人にとっては不十分なツールでも、全体への効果は大きい
このサービスのポイントはとにかくシンプルなことである。機能が絞られており、深く考えずに使うことができる。日常的なツールは複雑すぎるとかえって面倒なので、簡便な方が普及しやすいだろう。
メールや電話でのアポイント調整は意外と面倒な作業で、アポイントが多い人の場合、1日の業務時間のうち、かなりの割合をこうした調整業務に割いている可能性がある。これを自動化できるツールがあれば、一連の業務を簡略化できるので、より重要な作業に集中できる。
しかしながら、一部のビジネスパーソンは、こうした自動化ツールに対して強い拒否反応を示すだろう。確かに機能がシンプルな分、複雑な日程調整は難しく、アポの調整が得意な人にとっては、かえって面倒に感じるかもしれない。
例えば、日程調整が上手な人は、相手の性格や移動時間なども考え、「今回の相手は遅刻する可能性がある」「このテーマの場合、打ち合わせ時間が延びやすい」「トイレにいく時間を確保しておいた方がよい」など、さまざまな条件を考慮に入れつつ微妙な時間調整を行っている。
筆者もコンサルタントとして数多くの業務をこなしていた時代には、自身の時間を1秒たりともムダにしないよう、一種、職人芸的なアポの入れ方をしていた。単純な機能しか持たないツールにこうした役割を期待するのは無理である。
だが、この話はあくまで個人のスキルという「ミクロ」の話であって、組織全体や社会全体など「マクロ」の話とは別問題である。現実にはアポイントの調整という基本スキルさえも不十分で、そのために、本来の業務がおろそかになっているビジネスパーソンは多い。この部分を機械がサポートすることで生産性を向上できれば、全体への効果は計りしれないものとなる。
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