売れない営業マンが知るべき、2つのフレームワーク:営業マンの成長(5/6 ページ)
精一杯がんばっているのに営業成果がなかなか上がらない――。ついついこんな言葉を口にしたことがある人も多いのでは。仕事をしていると、なぜこのような不満が出てくるのか。その理由は……。
「アイスバーグを小さく分割」することが有効
では、営業マンのアイスバーグはどう大きくしていけばよいのだろうか? ただ、アイスバーグ全体を大きくしようと意識しすぎると、具体的な行動がイメージしづらくなることが多い。その場合は、「アイスバーグを小さく分割」することも1つの有効な方法だと思っている。
小さく分割するというのは、例えば明日行く営業を1つのアイスバーグとして考えるのである。その営業先に対してのあなたの想いの強さはどうか? そこに対しての行動や振る舞いは? スキルに対してロープレなどしっかり準備をしたのか? を考え、継続的にその営業先に行く際に、前回の訪問より自分のアイスバーグが少しでも大きくなったかを考えたり、できればノートに書いたりしてみるのもよい。
こうすることで、小さな努力や工夫の積み重ねを実感することができ、この顧客ごとのアイスバーグの分割と育成から、必ず成果が現れてくる。結局はアイスバーグの成長などは、小さいアイスバーグの総和であり、継続的育成こそが成果を決定づけていくものなのだ。この方法は毎日のあなたの仕事において、どんなものにも応用が利くので試しながら継続してほしい。
ちなみに、このパートの冒頭の2つの質問に対する、私の答えを述べておこう。
(質問)
(1)「営業マンとして、成長するためには何が必要か?」
(2)「成長した営業マンとはどんな状態か?」
(答え)
(1)「営業マンのアイスバーグを大きくすること」
(2)「営業マンのアイスバーグが日々進化して大きくなっており、無理をしなくとも、紹介やリピートも含めた成果が継続する状態」
言われてみれば当たり前のことのようであるが、この本質をしっかり捉えていないと、そのときどきの状況や心理状態で右往左往してしまうことになる。マインドセットとは、自分の人生や仕事の軸や地図のようなもので、ブレや迷いを減らし、中長期的な成果を出す大きな助けとなってくれるものである。
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