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食べログとぐるなび、明暗が分かれた業績:集客力が原因?(1/2 ページ)
国内を代表するグルメサイトであるぐるなびが業績面で苦戦している。一方、カカクコムの食べログ事業は好調だった。明暗を分けたのものは何だろうか。
ぐるなびと食べログを運営するカカクコムの2018年3月期決算が出そろった。決算資料によると、「ぐるなび」は大きく苦戦し、「食べログ」は好調だった。
なぜ、国内を代表するグルメサイトであるぐるなびと食べログは業績面で明暗が分かれたのだろうか。
人手不足と販促手段の多様化
ぐるなびの連結決算における売上高は前期比2%減の362億円だったが、営業利益は29.6%減の47億円にまで落ち込んだ。さらに、当期純利益に至っては33.5%減の32億円と大幅な減益となった。同社は19年3月期の連結業績予想についても大幅な減益を見込んでいる。
なぜ、ここまでぐるなびは苦戦したのだろうか。
ぐるなびの売上高の9割を占めるのは「飲食店販促サービス」だ。これは飲食店がぐるなびに対して支払う販促費用で、「ぐるなび上の『忘年会特集』の枠に店舗情報を掲載する」「ユーザー会員に向けて情報提供する」といったものが該当する。この飲食店販促サービスの売上高が大きく減少した。
飲食店販促サービスが落ち込んだ背景は、飲食店の人手不足により販促費が抑制されたことや、競合となる販促・告知方法が広がったことだと同社は分析する。無料で企業や店舗のPRができる「Googleマイビジネス」や、SNSなどを利用した販促手段が広まった。
これらの挽回策としてぐるなびの広報担当者は「当社には店舗運営を直接支援する1000人のスタッフがいる。飲食店に対してソリューションを提供していきたい」とコメントした。
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