人ごとではない? 「セックスパット」駐在員のとんでもない行動:世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)
「セックスパット・ジャーナリスト」に関する米雑誌記事が物議に。特にアジアで、駐在している欧米のジャーナリストがひどいセクハラを行っているという内容だ。なぜ海外でセクハラしてしまうのか。日本のビジネスパーソンも人ごとではない。
日本ではどうなのか
とにかく、海外に出るとジャーナリストだろうがビジネスパーソンだろうが、羽目を外してしまう人がいるということだが、世界中に#MeTooの意識が広まっている現在では、もはやどんな言い訳もできなくなりつつある。
では、日本ではどうなのか。
言うまでもなく、日本でもセクハラに対する意識は高まっている。最近、テレビ朝日の女性記者が財務省の事務次官だった福田淳一氏から性的なハラスメントを受けたことを週刊新潮で告発、大きな騒動になったことは記憶に新しい。またその後、女性ジャーナリストたち86人が「メディアで働く女性ネットワーク」の設立に参加したことも報じられている。ただ海外からは、日本では「#MeToo」運動がなかなか広がらないと見られている。
今の日本では「セックスパット」の記事のような話を聞いたことがある人は少ないかもしれない。もしくは、麻生太郎財務相兼副総理のような政界の大物が、「はめられた可能性は否定できない」「セクハラ罪はない」などと平然と発言できてしまう状況から、日本はまだ「セックスパット」のようなセクハラに声を上げられない環境にあるのかもしれないが。
取りあえず、日本のビジネスパーソンも、「セックスパット」という言葉は覚えておいた方がいいだろう。
筆者プロフィール:
山田敏弘
元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。
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