インタビュー
社員の働き方を変える実にシンプルな方法 カルビー・松本会長:「プロ経営者」インタビュー【前編】(3/4 ページ)
「プロ経営者」として日本を代表するカルビーの松本晃会長兼CEO。今月末でカルビーの会長職を退任予定の松本氏に、同社での9年間を振り返ってもらうとともに、注力した働き方改革についてインタビューした。
無駄なことはしない
――働き方改革とともに、女性活躍の推進にも力を入れました。女性管理職比率が17年4月時点で24%を超えるなど、目に見える成果を上げましたが、ご自身の手応えはいかがですか?
手応えという表現は気に食わないですが、当社は日本企業で女性管理職の比率が1番か2番でしょ。しかし、こんなもので1番だと言われていては、日本という国が悲しいですよね。世界に出たら恥ずかしいレベルです。のびしろはまだまだあります。
女性の管理職については50%になったらゴールです。51%にするつもりはないです。日本人の男性と女性の数はだいたい同じでしょう。だったら比率も半々にすればいいのです。もし男性が75%で、女性が25%であれば75:25にすればいい。僕はプラグマティスト(現実主義者)で、無駄なことはやらないのが基本スタンスです。
――物事をシンプルに考えることが、経営する上でのスタンスでもあるのですね。
仕事はそんなに難しいものではないですよ。大学で数学を教えているわけではないのだから。けれども皆、ビジネスを勝手に難しくしすぎたので、結果的にうまくいかないのです。過去46年間、仕事に関してはほとんど足し算と引き算の世界で生きてきました。掛け算や割り算なんて滅多に使いません。微分積分? 1度も使ったことないです。
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