トランプ、金正恩、プーチン……世界の首脳を守る“専用車” がスゴい:世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)
6月12日にシンガポールで米朝首脳会談が開催され、両国首脳がクルマで移動する様子など、一挙一動が注目された。世界の首脳はどのようなクルマを専用車として使っているのか。
自ら改造に携わった自慢のクルマ
まずはロシアに目を向けたい。
実はプーチン大統領は、つい最近の5月7日に、大統領として4期目をスタートさせている。18年という盤石な長期政権のため、もはや大統領選が行われていたことすら知らない人も多いかもしれない。事実、あまり大きなニュースにはなっていない。
ただそんな中でも注目されたことの1つは、プーチンが4期目の就任式で、自分も改造に携わった専用の新しいリムジンを初めて公にお披露目したことだった。そのリムジンは、元KGBのスパイで、マッチョな男をアピールしているプーチンらしく、重厚で「マシーン」のようだ。
「Kortezh(カルテシュ)」というコードネームで呼ばれているその専用リムジンは、米国の自動車雑誌が、「ロールスロイスのファントムと、メルセデス・ベンツのSクラスが合わさったような感じだ」と表現している。確かに、正面はロールスロイスに似ている。
さらにスペックは、ポルシェのエンジン技術とロシア製の9速の自動変速装置が組み合わされ、850馬力でターボチャージャー付きのV12エンジンを搭載しているという。ちなみに850馬力というのはフェラーリの最高モデルを超えるパワーだ。
この車の開発はプーチン主導で2012年から始まり、これまで開発費に2億ドル(約220億円)近くが投資されている。敵を蹴散らしながら何が何でも長期政権を続けるプーチンでなければできない、高額な長期プロジェクトだ。
ちなみにこの車は、19年には300台ほどが一般販売される予定だという。「カルテシュ」はロシアの自動車メーカー「ソラーズ」「ガズ」「カマズ」「ジル」によって共同で生産され、ロシアの高級自動車産業再生の象徴的なモデルとなると期待されている。
6月2日、プーチンはロシアを訪問していたムハンマド・アブダビ皇太子をカルテシュの後部座席に招き入れ、自慢している姿が報じられている。そんな姿は、新車を自慢するどこにでもいるおっさんと何ら変わらない。
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