トランプ、金正恩、プーチン……世界の首脳を守る“専用車” がスゴい:世界を読み解くニュース・サロン(3/5 ページ)
6月12日にシンガポールで米朝首脳会談が開催され、両国首脳がクルマで移動する様子など、一挙一動が注目された。世界の首脳はどのようなクルマを専用車として使っているのか。
さらに頑丈になる「ビースト」
プーチンに負けじと時期を合わせたわけではないが、ちょうど同じタイミングで、米国のトランプ大統領の専用リムジンも新車がお披露目される予定になっている。
現在トランプが乗っているのは、バラク・オバマ前大統領が09年から使っている「ビースト」と呼ばれるキャデラックのリムジンだ。大統領を警護する米シークレットサービスが設計から作るこの車両は、米CNNによれば、「装甲、防弾、ガス攻撃に備えた車窓の完全密閉、爆発の衝撃に備えた安全対策」が施されているという。ドアの厚さは20センチにもなる。
今回の米朝会談では、このビーストを巡りこんな珍場面があった。トランプは金正恩と一緒にホテルの敷地内を歩きながらビーストに近づいた。するとトランプが後部座席のドアを開けて、金正恩にインテリアを見せたのだ。これまでの米大統領ならありえない出来事だった。プーチンが自分の車を自慢したのと同じ光景が見られたのである。
そんなビーストだが、18年夏には、「ビースト2.0」などとも呼ばれているトランプ専用の新車がお目見えする。158万ドル(約1億7000万円)もの費用がかかっている新車は、トラックのフレームが採用され、生物化学兵器にも耐え、道路に設置された爆発物にも強く、装甲を貫通させる砲弾の徹甲弾も通さない。窓も防弾の5層。催涙ガス砲や連射式のショットガン、暗視カメラも装備している。さらに、酸素やトランプと同じ血液型の血液も常備する。
オバマ時代からのビーストよりもさらに頑丈で、とにかく、普通に考えたら破壊は不可能だろう。世界で最もパワフルで、世界中に敵が多いトランプ大統領なら、このくらいの車でなければ安心できないだろう。
ここまで世界で大きな権力を誇るプーチンとトランプの車を見てきたが、他の国では、首脳の専用車はどんな様子なのか。
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