好調「ペットボトルコーヒー」市場、まだまだ伸びる?:「クラフトボス」が開拓(1/2 ページ)
サントリーが2017年に発売したペットボトルコーヒー「クラフトボス」をきっかけに、「ちびちびと飲む」ニーズに対応したコーヒー商品が増え、市場は急速に拡大している。新たな市場はさらに拡大しそうだ。
ペットボトル飲料の売り場で、500ミリリットル入りコーヒーが存在感を放っている。飲料メーカーが続々と商品を投入し、すでに定番ジャンルになりつつある。
そのけん引役となっているのが、サントリー食品インターナショナルが2017年に発売した「クラフトボス」。それまで定番商品がなく、「ペットボトルは売れない」と考えられてきた分野で、新たな需要を開拓した。発売から1年で1500万ケース(3億6000万本)を販売し、好調を維持している。
5月には、缶コーヒーの代表的なブランド「ジョージア」を展開するコカ・コーラもペットボトルコーヒー「ジョージア ジャパン クラフトマン」を発売するなど、競争は激しくなっている。商品が充実してきたことで、市場拡大は続きそうだ。
2020年にはブーム前の約3倍に
サントリーの推計によると、600ミリリットル以下のペットボトルコーヒー市場は今後も右肩上がりに伸び、20年には5年前の2.9倍に拡大する予測だ。広報担当者は「商品数が増え、コンビニなどの商品棚に定着してきた。“目的買い”のユーザーが増えていくのでは」と説明する。
なぜ新しいニーズを開拓できたのか。中年男性が主なターゲットの缶コーヒーとは全く異なる飲み方が、若年層や女性に受け入れられたことが大きい。仕事をしながら「ちびちびと飲む」というニーズに対応し、長時間飲み続けられるすっきりとした味の商品が多くなっている。クラフトボスの場合、購入者の約3割が30代以下の男性、3〜4割が女性だという。
飲用シーンに加えて、飲用シーズンにも変化がある。缶コーヒーの場合、秋冬シーズンが最も売れる時期。一方、ペットボトルコーヒーはお茶や水の代わりになる飲み方ができることから、暑い時期にも需要がある。年間を通して商品展開がしやすいようだ。
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