競合ひしめく「AIエージェント」にあえて挑戦、なぜ? ドコモに聞く:キャラも人気の「my daiz」(2/3 ページ)
NTTドコモが5月末、AIを活用した音声対話サービス「my daiz」をリリースした。Apple、Amazon、Googleなどの競合がひしめくこの分野にあえて参入したのはなぜか。開発担当者に話を聞いた。
反響はこれから
――リリースから2週間ほど経過した。ユーザーの「先読み通知」の利用状況と反響はどうか。
近藤氏: 現在はユーザーの行動データを学習し、徐々に発話に反映している段階。ユーザーからフィードバックが届くのはもう少し先になるだろう。
ただプライベートで試したところ、家を出る前に「雨が降りそうですよ」と通知が届くようになった。客観的に見て便利だと感じ、手応えを得ている。
「Siri」「Google Assistant」にいかに勝つ?
――iPhoneには「Siri」、Androidには「Google Assistant」が搭載されている。ユーザーに両者ではなく「my daiz」を選んでもらうために、どんな工夫をしたのか。
近藤氏: 画一的ではなく、ユーザー一人一人に応じた会話ができる点は大きな差別化要因だ。また、多くのパートナー企業と連携し、宅配便の配達状況が分かったり、お店を予約できたりといったサービスを提供できる点でも異なる。
ドコモのポイントサービス「dポイント」との相性の良さも大きな差別化要因だと考えている。話しかけるだけで残高や有効期限が分かったり、ポイントが使える近隣店舗を教えてくれたりする。
5月半ばから始めた、「dポイント」を活用した投資サービスの運用状況も、声をかけるだけで教えてもらえる。これらの点は「my daiz」ならではだ。
ポイントサービスとの連携もウリ
――ドコモの吉澤和弘社長は、18年度は『dポイントクラブ』会員を軸とした事業基盤を強化する方針を掲げている。「my daiz」のローンチには、ポイントサービスを活性化する狙いもあるのか。
関崎氏: その狙いはもちろんある。「my daiz」をポイントサービスと親和性の高い仕様にしているのは、「回線から会員へ」という当社の戦略を促進するためだ。
現在の携帯電話市場では、MVNO(仮想移動体通信事業者)の台頭などにより、競争は激化する一方だ。そこで当社はキャリアを問わず利用できる「dポイント」会員を伸ばし、これまでリーチできなかった顧客とのタッチポイントを増やす方針に切り替えた。
現在は他社のスマホを使っている方も、ポイントサービスを機に当社を知ることで、ゆくゆくは乗り換えてくれるかもしれない。ポイントサービスと親和性の高い「my daiz」によって、潜在顧客を獲得していきたい。
かわいいキャラでも差別化を
――かわいいキャラクターが話題になっているが、AIをキャラクターとして表現するのも他社にはない取り組みだ。
近藤氏: キャラクターに親しみを持ってもらうことも、差別化と利用促進につながると考えている。「iコンシェル」「しゃべってコンシェル」」の頃も、メインキャラクターの「しつじくん」「メイちゃん」が人気だったため、今回もキャラクターを起用した。
今回のキャラクターは白いキューブのような形状だが、無機質ではなく生命感がある動きを取り入れている。ロボットっぽいキャラなどをテストしたが、現行のキャラが最もユーザーの反応が良かったためだ。
Twirrerなどでは早速「豆腐に似ている」などと話題になっている。実は開発チームでも「はんぺんに似ているね」などと話していた。ユーザーにかわいがってもらえればうれしい。
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