「5」への強いこだわりで急成長 ゴーゴーカレーの巧妙な戦略:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
2004年に1号店をオープンさせてからカレー専門店として国内2位の地位に躍り出たゴーゴーカレー。急成長した背景にあったのは、考え抜かれたビジネスモデルだけでなく、松井秀喜選手や「5」への強いこだわりがあった。
金沢カレーのルーツは?
金沢カレーとはどのようなカレーだろうか。「ご当地グルメである金沢カレーを全国・世界に!!」と掲げ、金沢カレーのブランド化と地域活性化を目指す金沢カレー協会は次のように定義している。(1)ルーは濃厚でドロッとしている、(2)付け合わせとしてキャベツの千ぎりが載っている、(3)ステンレスの皿に盛られている、(4)フォークまたは先割れスプーンで食べる、(5)ルーの上にはカツを載せ、その上にはソースがかかっている。ちなみに、ゴーゴーカレーは同協会のメンバーである。
一方で、金沢を代表するカレー専門店「カレーのチャンピオン」を展開するチャンピオンカレーのWebサイトによれば、金沢カレーという言葉が使われ始めたのは早くとも05年前後という。
ちょうどこの頃にゴーゴーカレーが創業してブレークしているため、ゴーゴーカレーの発展とともに、ご当地グルメである金沢カレーが世に知られるようになったといえるだろう。
記録に残る最古の金沢カレーは?
金沢カレーのルーツには諸説あるが、チャンピオンカレー創業者・田中吉和氏が1961年に金沢市内でオープンした「洋食タナカ」で提供されていたカレーが、記録として残っている最も古いもののようだ。遅くとも63年までには、ステンレス製の船皿にライスとカレーを盛り、カレーの上にソースのかかったカツとキャベツが載せられる形式が確立した。65年に同店は「カレーライスのタナカ」に改名した。
カレーの製法を田中氏から直接教わって、64年に金沢市にオープンしたのが「インデアンカレー」。さらに66年にオープンした「キッチン・ユキ」(石川県白山市)、71年にオープンした「カレーの市民アルバ」(石川県小松市)にもレシピが伝えられ、各自アレンジを加えていった。なお、松井選手が親しんだのは星稜高校(金沢市)近くにあったカレーの市民アルバ(金沢鳴和店)であった。
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