マミートラックとは無縁、ファンケルの管理職ワーママの仕事術:女性が活躍する職場(3/4 ページ)
創業以来、女性の力を生かすことに努めてきたファンケルは、現在も社員の8割が女性である。では、同社の女性管理職はどのような働き方をしているのだろうか。子育てをしながら部長として38人のメンバーを率いる山本真帆さんに話を聞いた。
時短勤務ママの多い部署は「お互いさま」が大事
仕事に好きなだけ時間を使えないという状況に、最初はフラストレーションを感じたという山本さん。しかし今は、子育てしながら仕事をするという経験は決してマイナスではないと感じているそうだ。
「どうしても制限される部分はあって、子どもがいなければもっと成果を出せるのかもしれないと思うこともあります。でも、夜まで会社で働いていたときと比べると世界観は広がっているんですよね。特に私たちの商品は生活に密着しているものなので、生活の方に時間を費やすことで、消費者により近い感覚を持てるのは良いことです。
それに、子育てで時間の制限がある期間というのは、会社で過ごす時間全体の中では短いものですよね。後になって会社にお返ししていけばいいんじゃないかな、という思いもあります」(山本さん)
部内に時短勤務者が多いことで、それ以外のメンバーがフォローに回る機会も少なくないだろう。それで仕事量に偏りが生じて不満がたまるようなことはないのだろうか? そう聞くと、山本さんの部署では不満が生まれないような気遣いや行動が意識的に行われているという答えが返ってきた。
「例えば、時短勤務の人が対応できなかった仕事を誰かに肩代わりしてもらったら、逆にその人が有給を取りたいときには時短勤務の人が積極的にサポートしたりしています。社内の行事が土日にあるようなときは、時短勤務のメンバーが率先して出たりもします。片方だけに不満が残らないよう『お互いさま』の気持ちを持つことが大事で、その点は皆が意識して取り組めていると思います」(山本さん)
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