時代の変化から逃げてはいけない “元受付嬢”が受付の自動化に取り組む理由:これからの人間の役割とは?(3/6 ページ)
11年間にわたり「受付嬢」として活躍した後、起業して、オフィスの受付業務を効率化するシステムを開発したディライテッドの橋本真里子さん。彼女は自分の仕事を機械に奪われるどころか、むしろ能動的に仕事の一部を機械に置き換え、自動化したのである――。
起業したのは「自分を育ててくれた人たちへの恩返し」
――受付を現場でまっとうし、その仕事を自動化するというアイデアにたどり着くまでには、どのようなプロセスがあったのでしょうか?
はじめは、受付のスキルを生かせる仕事に普通に転職しようと思っていたのですが、受付のスキルやノウハウを直接生かせる仕事が意外となかったんです。
それと、当時は「スキルを生かす」と同じくらい、「これまでお世話になった人たちへの恩返しとなるような仕事をしたい」とも思っていました。今の自分があるのは、彼らのおかげなので。
それで、どうすれば一緒に働いてきた仲間の役に立てるかを考えたときに、受付業務のアナログな部分をどうにかしたいと考え始めたんです。これなら、11年間積み上げてきた自分の知識や経験も生かせるんじゃないか、と。
――起業したかったわけではなく、やりたいことが何かを考え、起業という選択に至ったのですね。当時はITの知識はそこまでなかったかと思うのですが、どのように事業を形にしていったのですか?
IT系の企業やスタートアップで受付をしてきたので、一般的な受付の人よりは知識というか馴染みはあったんだと思います。ですから、事業を形にする上で何が必要かは何となく分かっていました。
しかし、おっしゃった通り、私自身にシステムを開発するスキルはありません。それは今でも同じ。ですから、それぞれ得意な人を巻き込んでいきましたね。「自分一人では作れない」って、そこはもう始めから割り切っていたので。
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