時代の変化から逃げてはいけない “元受付嬢”が受付の自動化に取り組む理由:これからの人間の役割とは?(4/6 ページ)
11年間にわたり「受付嬢」として活躍した後、起業して、オフィスの受付業務を効率化するシステムを開発したディライテッドの橋本真里子さん。彼女は自分の仕事を機械に奪われるどころか、むしろ能動的に仕事の一部を機械に置き換え、自動化したのである――。
受付嬢の肌感覚は、経営を助ける「データベース」
――どのように「RECEPTIONIST」の機能を決めていったのでしょうか?
複雑になりすぎないよう、まずは必要最低限の機能を実装していきました。
特に着目したのは、「取次ぎ業務」です。受付をして、内線で社員の方を呼び出し、不在であればその旨を伝えて……という定型的な業務は毎日何件も発生し、社員の方の時間も奪ってしまいます。そのせいで、できるだけ来客一人一人に丁寧に接したいけれど、その時間が確保できない。どうにかできないものかと、常々感じていました。
RECEPTIONIST ではチャットツールを介して、来訪者が担当者に直接通知を行います。一見シンプルな機能ですが、このひと手間が減るだけで、受付業務は格段に効率化できる自信がありました。
――あれこれ詰め込まずに必ず役に立つ機能に集中したのですね。今後実装していきたい機能、広げていきたい活用方法はありますか?
1つは、AIを用いたデータ活用です。受付で働いていたころから、受付を訪れる人の数や会話の様子など受付嬢の肌感覚は、企業の経営状況を映し出す鏡、データベースだと感じていました。
企業への来訪者の数が多い時はやはり業績が上り調子、少ない時は業績が低迷していることが多いんです。そういった受付で得られる情報を、AIを駆使して多様な切り口で分析し、経営企画に生かしてもらえないかと考えています。
もう1つは、今以上に受付をスムーズに行えるよう、より自動化を進めていきたいなと。事前にユーザー登録を行えば、スマホをかざすだけで受付が完了するアプリもリリースする予定です。
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