ビックカメラが酒専門店をオープン 競合店にどうやって勝つのか?:店内に家電はない(1/2 ページ)
ビックカメラが酒専門店を18年8月にオープンさせる。これまでは、ビックカメラの店内で酒類を販売していたが、単独での出店は初めての試みとなる。厳しい競争にさらされることが予想されるが、どのようにして差別化を図るのだろうか。
ビックカメラグループのビック酒販(東京豊島)は、商業施設「アクアシティお台場」(東京港)内に酒類専門店「ビックカメラリカー アクアシティお台場店」を2018年8月にオープンする。
これまで、ビック酒販はビックカメラ内で酒類を販売していたが、単独店をオープンするのは初めてだ。競合がひしめく中で、どのような勝算があったのだろうか。
お台場店は売場面積が約70平方メートルで、営業時間は午前11時〜午後9時までとなっている。ビール類、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキー、ブランデー、リキュールなど2000アイテム以上を取り扱う。
アクアシティお台場に出店した理由についてビックカメラの広報担当者は「事業拡大を目指しているときに、たまたま施設側と縁があったから」と説明する。また、お台場店の隣には、東京の土産品、医薬品、ビューティー家電などを扱う「Air BIC CAMERA アクアシティお台場店」があり、国内外の観光客が訪れているため、相乗効果が見込めることも理由の1つとして挙げた。
今後は、お台場店の売り上げ状況などを踏まえ、「いい場所があれば、単独店を出店する」(広報担当者)という。
ビック酒販は、18年7月末時点でビックカメラグループの店内に36店舗を構えており、確かにノウハウは蓄積している。人気の日本酒「獺祭」の特約店となっている店舗もあり、他では手に入らないようなお酒を扱っている。これまでは店内に“同居”していたため、集客に困ることはなかったのも事実だろう。ただ、単独店となると競合他社との差別化が必要になる。「強みはどこにあるのか?」という記者の質問に対して、広報担当者は「取り扱うお酒の種類が多いだけでなく、低価格帯から高価格帯までそろえている点だ」と回答した。
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