働き方改革で「ハドルミーティング」が注目される理由:“共有”しても“共有”できていない問題を解決(3/6 ページ)
「無駄な会議」は企業における典型的な課題だ。そうした中で注目を集めているのが「ハドルミーティング」だ。会議の効率化だけでなく、チーム内のコラボレーションにも好影響を与えるというハドルミーティングとは、どのようなものなのだろうか?
「立ったまま」かつ「身を寄せ合って」行うスタイル
ハドルで会議の効率性を上げる3つ目のポイントは、立ったまま、あるいはそれに近い狭いスペースでハドルミーティングを行うことである。
上述のバイオジェン・ジャパンのようにハドルルームを導入した企業では、汎用性を考えて小ぶりのテーブルとチェアが用意されていることも多いが、いずれにしても、快適な椅子に腰をどっしり落としてする「重役会議」ではない。
立っていることで長時間の開催を避けるという側面もあるが、実利的な理由もある。まず、小さなスペースで開催可能なことだ。スタンディングデスクをひとつ置くだけで、最低限の準備は整う。
立ち話ができるほどのスペースであれば、従来の会議室と同じ床面積に複数のハドルミーティング用の空間を設置することもできる。
また、身を寄せ合うスタイルで行うことによって、同席者との距離が近くなる。全員が当事者となることで、チームとしての一体感が高まり、コラボレーション力も高まるというわけだ。
ハドルミーティングのポイントの4つ目は、ミーティングの目的を限定し、議題が終わったらすぐに解散すること。「あれもこれも」は禁句だ。必要な情報を共有して方針が定まったら、さっと解散して各メンバーが持ち場に戻り、ビジネスを次の段階に推し進めていく。
ハドルを終えたアメフト選手が、位置について攻撃をスタートするところを思い出してほしい。その優れた機動性こそがハドルを成功させる神髄と言える。
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