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「ローソン外国人店員研修」で500人育てた「カリスマママ教官」の愛のムチ:日本のおもてなし術の“伝道師”(4/4 ページ)
ローソンの外国人向け店員研修に記者が参加。指導役の女性が参加者の国の文化に配慮しつつ、厳しく丁寧に複雑なコンビニ業務をレクチャーした。
「コンビニの仕事って大変だ……」
緊張してか「少々お待ちください」とわずかにせりふを間違えた林さんに、吉岡さんが「お待ちください、は超『上から(目線)』だね。お待ちください『ませ』、だね!」とすかさず注意。安さんが「ございます」ときれいに発音すれば「ご『じゃい』ますってなまらないのね。偉い!」とほめる。
次第に丁寧に、正確になっていく2人の接客。始めは1分半以上かかっていたが、最後は1分10秒台まで短縮された。「今日は合格ラインまでいかなかったね。ぱっぱと言えるようになるのが宿題。あと2人とも(緊張で)怖い顔だった。お客様は常に見てます」(吉岡さん)。次回は1分以内に到達する約束をして2人の研修が終わった。
最後に記者もこの“1分接客”にトライすることに。日本人なのでさすがに日本語のせりふは言えるはず。子どものころからほぼ毎日、コンビニ店員には接している。接客業は大学時代のアルバイト以来だが、さすがにこなせると思うが……。
だが、実際にレジの前に立つと混乱してしまった。研修でたたき込まれたはずの接客の手順が緊張で思い出せない。お金をもらう、体とカウンターの間に買い物かごを挟むといった一見単純な動作がうまくこなせない。ようやく終わったら吉岡さんが笑顔で一言。「1分46秒。負けましたね」。
コンビニの仕事って想像以上に大変だ……。うなだれる記者に吉岡さんがしみじみと言った。「これからコンビニで働いている彼らを見かけたら、親切にしてあげてくださいね」。
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