「体操女子パワハラ」問題の陰で、スポーツ庁の鈴木長官は何をやっているのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
体操女子の宮川紗江選手が日本体操協会の塚原夫婦を告発したことによって、スポーツ界が再び揺れ始めた。悪質タックルや不正疑惑などの問題が起きるたびに、スポーツ庁の鈴木長官がコメントをしているが、どうも頼りない。このままでは……。
国民の血税が投入されている
そもそもスポーツ庁は2015年10月1日に発足。JOC(日本オリンピック委員会)とは別個にスポーツ行政の司令塔として東京五輪・パラリンピックへ向けた戦略的強化費を各競技団体に分配する窓口的な役割も担う。
東京五輪・パラリンピック開催に関することだけでなく、他の分野においても日本のスポーツ行政を推進していく文部科学省の外局である立ち位置から、さまざまな役割を果たすべく大きな権限が与えられている。そして、そこにはいずれも我々の血税が投入されている点を忘れてはいけない。
大々的に報じられてはいないものの、もしかすると成果が見込めそうな改革もスポーツ庁は推進している。同庁は2018年度の大学スポーツ振興事業の対象として7月末、関西大学や法政大学、立命館大学など全国から15校を選んだことを発表。3月から5月にかけて全国の大学から事業の提案を募り、有識者会議を経て審査した。
選ばれた15校は国から財政支援を受け、トップアスリートの養成や地域でのスポーツ普及を加速させることになる。これは2019年春に設立予定の「全米大学スポーツ協会(NCAA)日本版」の創設に付随する流れだ。
本場米国のNCAAのような組織になれるのかは疑問符も付くが、これまでどちらかといえばガバナンスが難しく目が行き届きにくいところもあった日本の大学スポーツに風穴を開けることにつながる可能性はある。
スポーツ庁が目標とする全国の大学200校と40の学生競技団体でスクラムを組めれば、日本大学の悪質タックル問題を引き起こす要因につながった内田正人前監督のような“独裁者”は今後、生まれにくくなるかもしれない。当然、絵に描いたモチにならなければの話ではあるが――。
関連記事
- 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - 卓球王者の張本が、いまひとつ支持を得られない要因
全日本卓球選手権の男子シングルス決勝で、14歳の張本智和が王者・水谷隼を破って優勝した。最年少優勝の偉業を達成したのに、いまのところ“張本フィーバー”は起きていない。なぜ新王者がいまひとつ支持されないかというと……。 - 6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由
6畳弱の狭い物件が人気を集めていることをご存じだろうか。物件名は「QUQURI(ククリ)」。運営をしているピリタスの社長に、その理由を聞いたところ……。 - サラリーマンの味方「切腹最中」は、なぜ1日に7000個も売れるのか
お詫びの手土産として、多くのサラリーマンが購入する「切腹最中(せっぷくもなか)」をご存じだろうか。1990年に発売したところ、当初は注目されていなかったが、いまでは多い日に7000個以上売れている。「切腹」という言葉が入っているのに、なぜヒット商品に成長したのか。 - 剛力彩芽が叩かれる背景に、日本人の国民性
タレントの剛力彩芽さんが、ネット上で壮絶なリンチにあってしまった。交際宣言したスタートトゥディの前澤友作社長と同じタイミングで、ロシアW杯を観戦した写真をInstagramにあげたところ、批判が殺到したのだ。それにしても、なぜこのような「いじめ」が後を絶たないのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.