「体操女子パワハラ」問題の陰で、スポーツ庁の鈴木長官は何をやっているのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
体操女子の宮川紗江選手が日本体操協会の塚原夫婦を告発したことによって、スポーツ界が再び揺れ始めた。悪質タックルや不正疑惑などの問題が起きるたびに、スポーツ庁の鈴木長官がコメントをしているが、どうも頼りない。このままでは……。
なんだか頼りないなあ
今回発覚した体操女子のパワハラ問題で、またも表に出てきたものの、「なんだか頼りないなあ」と思わずにいられない公人がいる。スポーツ庁の鈴木大地長官だ。
宮川選手が告発した件について見解を求められると、鈴木長官は「弱い立場の選手が声を出していくという空気は大事」と発言。さらに「選手がいい環境でトレーニングを積む。これを整備することが協会、連盟の仕事でもあるので、しっかりと選手のためにやっていただきたい」「いま一度、こういう暴力やハラスメントがないか調査をしていただきたい」などと各競技団体に促した。
だが、これまでも似たり寄ったりの安パイな言葉を繰り返している印象が強い。女子レスリングのパワハラ、日本大学アメフト部の悪質タックル問題、そして日本ボクシング連盟前会長の不正疑惑――。2020年の東京五輪・パラリンピック開催が迫るなか、次々とスポーツ界の不祥事が起きるたびに鈴木長官は「しっかりと〜やっていただきたい」「〜していただきたい」といった具合で人任せの決まり文句に終始している。
国の機関のトップが各競技団体に“介入”することは越権行為ととらえられてしまう見方を恐れているから踏み込んだ発言をしないのかもしれない。実際に一歩置いている自身の姿勢を強調するかのように「私もスポーツ団体の自治とか独立を尊重すべきだろうと思っているし、ある程度信頼してきたが、いろんな形で(不祥事の)事案が生じ続けている」と述べ、相次ぐ不祥事を懸念して各競技団体の指導体制について話し合うスポーツ庁内のプロジェクトチームを年内に立ち上げて方向性をまとめる方針も示した。
しかし、このプロジェクトチーム立ち上げも以前からこれだけ不祥事が連発していることを考えると、何だか後手後手で遅きに失している感がある。それに一体、このチームによってどのような解決策が見えてくるのか。結局は玉虫色の方針しか示せず、「私たちはしっかりやっていますよ」アピールで終わりそうな気がしてならない。東京五輪開催まで、もう2年を切っているというのに何をのん気なことを言っているのだろうとあきれてしまう。
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