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くら寿司の好業績を支えた「高級かき氷機」と「価格維持宣言」:「1皿100円」も奏功(2/3 ページ)
2017年11月〜18年7月期決算(連結)が好調だったくら寿司だが、業績のけん引役となったのはこだわりのかき氷だった。専門店で使われている高級かき氷機を投入したことで、差別化に成功した。さらに、「低価格化宣言」の効果も出始めたという。
価格維持宣言も奏功
広報担当者によると好業績を達成したもう1つの大きな要因は、18年4月からスタートした「価格維持宣言」がお客に浸透してきたことだという。
価格維持宣言は定番のすしを全皿100円均一で提供することで、お値打ち感をお客にアピールする戦略だ。他の競合すしチェーンも1皿100円がたくさんあることに変わりはないが、100円以上のすしも販売している。例えば、はま寿司は「平日1皿90円」(平日以外は100円)を打ち出しているが、「厳選まぐろ 中とろ(一貫)」などは1皿150円で提供している。一方のくら寿司は「熟成 中とろ(一貫)」を100円で販売しており、あくまで「100円均一」を強調する戦略だ。「大手チェーンの中で100円均一が崩れはじめた中、弊社は100円にこだわっており、その成果が出始めている」(広報担当者)とのことだ。
さらに、くら寿司は18年7月から創業以来41年間守り続けてきたシャリの味を大きく変更している。3種類の黒酢を加えた「健康黒酢のシャリ」を新しく打ち出しているが、シャリのコスト自体は上がっているという。この施策も、価格を変えずに商品力を向上させるお値打ち戦略の一環だ。
回転すし業界は共通して原料高と人件費増という課題を抱えている。くら寿司はこの問題を乗り越えて「100円均一」と好業績を維持できるだろうか。
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