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「いきなり!ステーキ」と「俺の」シリーズで、“脱・立ち食い”が進む背景:座って食べても高回転(3/3 ページ)
立ち食い形式で料理を提供することで「低単価、高回転」を実現していた「いきなり!ステーキ」や「俺の」シリーズで椅子席が増えている。なぜ方針転換があったのか。そして、椅子席で高回転は実現できるのか?
牛角創業者が仕掛ける「高回転」の店も座って食べる
18年8月、「焼肉 kintan」や「やきとり家 すみれ」などを展開するダイニングイノベーション(東京都渋谷区)は、「低単価、高回転」の1人焼き肉新業態店である「焼肉ライク」を東京都港区にオープンした。この店舗は全席椅子席である。
焼肉ライクでは、お客1人が1台の無煙ロースターを使い、自分のペースで好きな肉を好きな量だけ注文できるようになっている。メニュー数を絞り込むことで、注文を受けてから迅速な提供が可能で、滞在時間は25分を想定している。高回転、客数増を実現することで、肉の原価アップも可能となり、お客の満足度を高めたいと考えている。
ダイニングイノベーションの西山知義会長はオープン時の説明会で、「立って食べても、座って食べても、お客さまの滞在時間に大きな違いはない」とコメントした。さらに、近年、座って食べるスタイルが広まっているいきなり!ステーキの戦略にも言及しており、“脱・立ち食い”は業界のトレンドになりつつあるようだ。
立ち食い形式は、「だからこんなに安いのか」という納得感をお客にアピールする意味では一定のインパクトがあった。しかし、そのビジネスモデルが浸透した今、必ずしも立ち食いにこだわる必要はなくなりつつあるといえそうだ。
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