インタビュー
「社員を管理しない、評価しない」 個人と会社の幸せを追求した社長が心に決めたこと:これも新しい働き方(5/5 ページ)
「ワーク・ライフ・バランス」ではなく「ワーク・アズ・ライフ」。こうした言葉を語る人たちが増えている。TAMという会社は、社員のワーク・アズ・ライフを「仕組みで」可能にしている。社長にその本質を聞いた。
――確かに、ここまで伺ってきたTAMの理念を考えれば、分散型の組織というのは相性が良さそうに聞こえます。
僕は日本の「正社員が絶対的に偉い」という考え方にすごく否定的です。正社員だろうと、契約社員だろうと、フリーランスだろうと、呼び方や契約形態などはその時その時の自分のスキル、経験、将来の希望などに応じて選択していけばいいじゃないかと思っているんです。
だからつい先日、日本の雇用環境ならではの中間的働き方ができたらいいのではと考えて、「フリーエージェント/ロケーションフリー・スタッフ制度」というものを作りました。
最近はフリーランスとして働く人も増えていますよね。でも、フリーランスって、いつも一人で考えなくちゃいけなかったり、営業も頑張らなくちゃいけなかったりして、何かと不安じゃないですか。
だったらTAMでやったらいい。その結果、仲間同士でシナジーが生まれたりして、完全に一人でやるより仕事がうまくいく。だからここにいる。これからの会社って、そんな感じでいいんじゃないかと思うんですよね。
(取材・文:浅田よわ美、岡徳之<Livit>)
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