インタビュー
「社員を管理しない、評価しない」 個人と会社の幸せを追求した社長が心に決めたこと:これも新しい働き方(4/5 ページ)
「ワーク・ライフ・バランス」ではなく「ワーク・アズ・ライフ」。こうした言葉を語る人たちが増えている。TAMという会社は、社員のワーク・アズ・ライフを「仕組みで」可能にしている。社長にその本質を聞いた。
ティールも分散型も、自然に考えた結果
――評価も管理もしない、社員一人一人が主体的に動くことで、組織としてもうまくいく。まるで最近話題の「ティール組織」のようですね。
そうそう。人生すべてを仕事に持ち込むっていうのは、僕が元祖。10年前に同じことを言っても誰も分かってくれなかったけど、やっと時代が追いついてきたのかな、と(笑)。
――では、この先に描いている組織の未来像はありますか?
「タンバリン」のようにすでに分社化してうまくいっているプロジェクトもありますけど、今後はプロジェクトの各リーダーがどんどん分社化していくといいなあと思って、実際に進めているところです。
というのも、僕が経営者としてずっと引っ張っていけるなんて思ってないから。仕事が好きだから死ぬまで働き続けるとは思うけれど、それがここである必要はないので、どこか迷惑のかからないところを探して、と思っています。
そして、僕が経営者のポジションから降りたら、もう全体を見る人はなしにしよう、とも。本体はバックオフィスの機能だけ。あとはそれぞれのリーダーが、僕が暮らしていけるだけの給料を払ってくれさえすればいい(笑)。そうやって、同じミッションを持った個人が非中央集権的につながるネットワーク組織になっていくんじゃないかと思っています。
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