スシロー幹部が熱弁「価格改定は新たなチャレンジだ」:「築地コラボ」でさらなる飛躍へ(2/3 ページ)
スシローが9月14日からすしの価格帯を改定する。同日から、築地市場の名店と組んだフェアも始める。高品質の商品をそろえることでさらなる飛躍を目指すという。
天然本マグロ、天然アナゴなど使用
今回のフェアに協力する店舗は、すし店「山五商店」「米彦」「大和寿司」と、厚焼き玉子専門店「丸武」――の4店。いずれも歴史ある人気店だ。
山五商店とコラボした商品は、活け締めにした天然アナゴを使った「特上のふっくら煮穴子」(300円)。同店舗が普段使用しているのと同じ技法で加工し、時間をかけて丁寧に煮込んだ点が特徴だ。
山五商店の山崎大輔専務(崎はたちさき)は「われわれが目利きした本物のアナゴを、日本一のすしチェーンに提供できてうれしい」と話す。
米彦とコラボした商品は、天然本マグロを使った「本鮪赤身」(150円)。ネタの仕入れ・目利きも米彦が担当し、1匹の魚体から少量しか取れない希少な部位を使用する。
米彦の渡辺泰行取締役は「本マグロはマグロの王様で、酢飯と合う。手に取りやすい価格で提供するため、高級なすし屋を困らせるのでは」と自信を見せる。
大和寿司とコラボした商品は、「あじの酢洗い」(100円)、「昆布〆ひらめ」(150円)、「本鮪赤身のづけ」(同)、「〆の塩いくら巻」(同)で、低価格帯の商品もそろえる。
「あじの酢洗い」は、食材を水に薄めた酢にひたすことで、生臭みを取り除く手法「酢洗い」を施した点が特徴。今回のフェアのために、専用の酢を開発したという。
大和寿司の入野光広氏は、「下ごしらえの一手間を惜しむかどうかが、回転ずしチェーンと回らないすし屋の違いだと感じていた。今回はその技術を教えたことで、質の高い商品に仕上がった」と強調する。
丸武とコラボした商品は、クリームチーズを練り込んだ伊達巻に、抹茶アイス、わらび餅、あんこを添えたスイーツ「伊達巻メルバ」(280円)。スイーツ強化の取り組み「スシローカフェ部」の一環で提供する。
フェアに終了期限は設けず、ネタが売り切れた時点で終了となる。
関連記事
- 「回転ずし」勝ち負け鮮明に スシローは上方修正、地方では倒産多発
スシローGHDが、通期業績を上方修正すると発表。主力のすしのほか、スイーツ類が好調という。一方、地方では、大手の寡占や原価高騰の影響で倒産する企業が増えている - スシロー、すしの価格帯を「100円・150円・300円」に変更
スシローが、9月14日からすしの価格帯を変更。100円、150円、300円とする。中価格帯のすしを手に取りやすく、高価格帯のすしの品質を高めるためという。 - くら寿司の好業績を支えた「高級かき氷機」と「価格維持宣言」
2017年11月〜18年7月期決算(連結)が好調だったくら寿司だが、業績のけん引役となったのはこだわりのかき氷だった。専門店で使われている高級かき氷機を投入したことで、差別化に成功した。さらに、「低価格化宣言」の効果も出始めたという。 - スシローの進化についていけなかったかっぱ寿司
かつて業界をリードする立場だったかっぱ寿司が、競合他社に次々と追い抜かれている。逆転を許してしまった背景にはいったい何があるのだろうか。 - なぜコロワイドは「かっぱ寿司」を買ってしまったのか
かっぱ寿司の経営不振が続けば、コロワイドの屋台骨が揺るぎかねない状況だ。なぜコロワイドは「買収するメリットよりはリスクの方が大きい」(関係者)かっぱ寿司を買ってしまったのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.