生産性向上の第一人者が厳選した“出社したくなるオフィス”5社:あなたの職場でもきっとできる(2/5 ページ)
NTTデータ、Google、味の素、タマノイ酢、オトバンク……。「テレワーク時代」が到来する中、従来のオフィスの在り方を見直し「社員が来たくなるオフィス」作りに工夫を凝らしている企業もある。
社員同士で「書評合戦」 職場の知的交流促す
「学び」をテーマに、オフィスコミュニケーションの活性化に取り組む職場もある。NTTデータ(本社:東京都江東区)では、本社ビルと少し離れた場所に構えたオフィスで月1回「ライトニングトーク」と「ビブリオバトル」を交互に開催している。ライトニングトークとは、日頃の知識や気付きを5分程度の短い時間で発表するミニプレゼンテーションだ。ビブリオバトルは、同じく5分で自分が読んだ本の内容を紹介する「知的書評合戦」である。聴講者は、興味を持った本に投票して「チャンプ本」を決める。毎月、オフィスの端に設けられたオープンスペースでは社員たちの明るい声が飛び交う。
「知の交流と、コミュニケーション活性化のきっかけを作りたかった」と同社マイナンバー開発担当課長の松波慎朗氏はその狙いを語る。
筆者も複数の会社でIT購買部門、情報システム部門を経験するなどIT業界の経験が長い。IT技術者には、知識の吸収に貪欲な人が多いことを経験則的に知っている。もちろん情報発信も嫌いではないのだが、ともすれば忙しさのあまりインプットがおろそかになる。そうなるとわざわざ情報をアウトプットする人も少なくなってしまう。なおかつ、プロジェクトが細分化すればするほど、社員間に壁ができ、プロジェクト間の知識交流が生まれにくくなるのだ。
その意味で、NTTデータの取り組みは社員間の交流を生むヒントを与えてくれるのではないだろうか。オフィスを、学びあいの場として活用する。知の交流のきっかけを作る。さまざまなバックグラウンドや働き方をするメンバーが集うIT業界こそ、「場」としてのオフィスをうまく活用して欲しい。
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