築地移転の裏で進む“ネズミ駆除大作戦” 都は粘着シートを4万枚準備:本番はこれから(1/3 ページ)
築地市場の関係者は豊洲への移転準備を進めているが、東京都は大量に生息しているネズミを駆除する準備を専門業者とともに進めている。これまでにない規模のネズミ駆除作戦の全貌を担当者に聞いた。
築地市場は10月6日をもって営業を終了し、豊洲に移転することが決まっている。マグロの卸売り場や、水産・青果仲卸売り場の見学は9月中に終了する。
築地市場内に事務所を構える東京都の職員も移転に向けたさまざまな準備をしているのだが、その中に築地市場のネズミを駆除する業務を担当している部署がある。移転を控え、どのような対策を行っているのか、担当者に話を聞いた。
専門業者も経験したことのない大プロジェクト
東京都は築地市場のネズミを駆除するために3500万円の予算を用意している。駆除を行うのは、担当者(東京都中央卸売市場 築地市場 監察担当)と害虫駆除の専門業者だ。この専門業者は業界ではトップクラスの実績を持ち、築地市場のネズミ駆除に10年近く携わっているので、現場を知り尽くした存在だ。
担当者は「築地市場内に生息しているネズミの数を推定するのは非常に困難ですが、万単位ではないと認識しています。仮に数万匹いたとしたら、ネズミが多すぎて足の踏み場もないでしょう」と語る。ただ、相当数生息しているのは確かで、ネズミ駆除のプロジェクトとしては「専門業者もこれまで経験したことのない規模」(担当者)だという。
現在、ネズミの生息区域を調べており、その結果を踏まえ、9〜11月にかけて本格的に駆除を開始する予定だ。担当者は「東京都としても、投入できる限りの資材と工夫で臨みたいと思います」と気を引き締める。
築地市場にいるネズミは?
まず、築地市場内にいるネズミについて説明しよう。築地市場内にはドブネズミとクマネズミの2種類が生息しているという。
クマネズミは主に建物の天井裏や、建物に張り巡らされた配管の上に生息しており、管や電線を伝って地面に降りてくる。穀物や果物を好むので、青果物の売り場に出没する。
一方、ドブネズミは下水管の中に生息しており、動物性タンパク質を好むので水産物の売場に多く出没する。築地市場の床を走り回っているのは、ほとんどがドブネズミだ。
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