なぜ安室奈美恵は私たちの心を揺さぶり続けるのか?:「平成の歌姫」の生きざま(1/5 ページ)
歌手の安室奈美恵さんが引退する。メジャーデビューから26年、「平成の歌姫」と呼ばれた彼女は、全力で歌い、踊り続け、多くの人たちから愛されてきた。引退を目前に控えて、今再び安室フィーバーが起きている。安室さんの何がここまで私たちを引き付けてやまないのだろうか。
多くの人たちが幾度となく現実から目を背けてきただろう。しかし、とうとうこの日がやって来てしまった――。
歌手の安室奈美恵さんが9月16日をもって引退する。
その前日、つまり本日夜には故郷・沖縄で最後のライブを行う。会場となっている宜野湾市の「沖縄コンベンションセンター展示場」周辺には、既に多数のファンが押し寄せていて、大変な熱気に包まれているようだ。
2018年2月から6月まで行われたファイナルツアーは、国内17公演と、中国、香港、台湾公演を合わせて約80万人を動員。この規模でもチケットの入手は困難を極めたわけだが、今回のラストライブは最大収容人数が5000人。安室さんの最後の雄姿を見ようと、壮絶なチケット争奪戦が繰り広げられた。関係者に聞いたところ、申込みは数十万件に上ったそうだ。
また、チケットは取れなかったものの、会場の外で声援を送りたいというファンも少なくないため、ライブ当日の沖縄行きの航空券はあっという間に完売し、近隣の宿泊施設もほぼ満室となった。思わぬ形でより大きな経済効果をもたらすこととなった。
昨年の9月16日、デビュー25周年の日に「引退宣言」をしてからというもの、空前の安室奈美恵ブームが巻き起こっている。同年11月に発売したベストアルバム「Finally」の累計売り上げは230万枚に迫る勢い。今年8月には先述したファイナルツアーを収録したDVD&Blu-ray Discをリリースするや否や、初週で100万枚を突破した。安室さんの所属レーベルであるエイベックスの業績や株価にも大きな影響を与えているほどだ。
「平成の歌姫」「国民的スター」という名にふさわしく、安室さんは幅広い層から人気だ。とりわけ同世代の女性からの支持が高い。古くは1990年代中頃、当時の安室さんのファッションを真似て、厚底ブーツにミニスカート、茶髪のロングヘア―といった女性たちが街にあふれていた。いわゆる「アムラー」現象である。また、近年のライブは観客の大半が女性で、その支持率は加速度的に高まっているのだ。
なぜ安室さんはこれほどまでに愛されるのだろうか。
そこで20代〜40代の女性約50人を対象に緊急アンケートを実施。安室さんが世の女性たちを強く引き付けるゆえんを調べてみた(記事末尾にすべての回答を掲載)。
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