月旅行に挑むZOZO前澤氏、海外からの評価は「イマイチ」な理由:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイ社長の前澤友作氏が月周回旅行をする初の個人客に選ばれ、話題になっている。ロケット開発費など莫大な資金を支払う前澤氏を、海外メディアはどのように見ているのか。
PR効果には疑問符が付く
しかし、である。記者会見でマスク氏から紹介された前澤氏は「自分について少し話をしたい」と切り出して、自分のプロフィール紹介とゾゾタウンのPRをした。それだけで十分、莫大な開発費を支払ったPRとしては大成功だという見方もできなくはない。ただ海外の報道を見ていると、もしゾゾがらみのPRの目的もあったのだとしたら、その効果があったかどうかには疑問符が付く。
というのも、海外メディアでは前澤氏のことが大きな話題になっているとは言い難いからだ。前澤氏を取り上げている報道を見ると、どれも「彼は何者なのか?」といった記事が多い(ちなみにさまざまなメディアがロイターやブルームバーグなどの通信社が配信した記事を掲載しているため、冠は違っても大多数は同じような内容の記事である)。そして、やはり記事では、アートを買いあさっている人物という見せ方が多く見受けられ、「ネット通販でもうけた日本の若いお金持ち」というイメージが先行している感は否めない。
有名な米宇宙専門サイトのスペースニュースは、「スペースXの非公表の次世代ロケット開発費を、日本の億万長者が払う」という流れで報道している。すでに頭金も支払っていると書いており、前澤氏については日本のオンライン通販サイトを創設した人物と説明するにとどまっている。
米誌フォーチュンは、「前澤は、日本国外では比較的知られていない」存在だと書いている。しかも前澤氏のTwitterのアカウント名が「yousuck」というものだと取り上げ、記事のタイトルにしている。「Who's @yousuck2020(ユーサック2020っていったい何者か)」と。「you suck」とは「お前は最低だ」という意味であり、「ユウサク」と「You suck」を語呂合わせしているものだとしても、米国などでは少し下品な言葉だと見る人も多い。
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