巨人の高橋由伸監督が、古巣と「絶縁」する日は来るのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
巨人の高橋由伸監督が今季限りで辞任することになった。後味の悪さが際立ったが、巨人の対応に問題はなかったのか。そして高橋監督が選ぶ、今後の道は……。
球団は責任を感じなければいけない
高橋監督には若手育成の面を評価する声も出ているものの、実はこれにも方々から異論が出ている。チーム内外において「岡本(和真内野手)や吉川(尚輝内野手)らヤングGの今季躍進は高橋監督が指導したり、積極的にスタメン起用したりしたおかげという見方が多いが、現実はそうじゃない。彼らは二軍で鍛え上げられたからこそ急成長した。そして一軍昇格後の活躍は一軍の井端(弘和)内野守備走塁コーチの指導のたまものですよ」などと指摘する声も少なくない。
しかも現役時代から話し下手だった性格は監督になって多少改善されたものの、基本的には口数が多くなかったとも聞く。だから報道陣向けのコメントもどこか他人事でつまらないし、リップサービスの類もこれまでほとんど見聞きしたことがない。
自ら率先して言葉を発信しないから「暗い」というイメージがどうしても先走りし、熱狂的かつ優しい巨人ファンを除いた人たちとの距離感がますます広がったのも致し方ないところだ。その影響もあるのか。今季は試合中のベンチでメモにペンを走らせる姿がネットユーザーから嘲笑の的になっていたのも、何だか哀れに思えた。
これでは人気が上がるはずもない。球団の中から「やっぱり由伸を監督に抜てきしたのは失敗だったんじゃないのか」と、その行方を不安視する言葉が出るのも無理はなかった。そう考えると今季限りでの「辞任」は必然だったのかもしれない。
だが、このように指揮官には明らかに不向きの高橋監督をいきなり担ぎ出してしまった球団側は大いに反省しなければいけないと思う。経験不足の高橋監督に対し、有能で経験豊富なコーチ陣の人選や選手補強などの面でバックアップする体制をまともに整えられなかった点についても責任を問われて当然だ。
なにより高橋監督の側に立ってみれば、まったく指揮官をやるつもりもなかったのに、いきなり重圧の大きい人気球団の現場トップという大役を任されてしまったのだから簡単に結果を出すのは難しいに決まっている。
関連記事
- バイクは事故が多いのに、なぜヤマハは「バイクレンタル」に挑むのか
ヤマハ発動機販売は10月1日、2輪車レンタル事業「バイクレンタル」をスタートした。国内2輪車メーカーがレンタル事業を始めるのは初めてのことだが、疑問がひとつある。バイクは事故が多いのに、事業を継続してやっていけるのだろうか。同社の担当者に話を聞いた。 - それでも貴乃花親方を叩く人たちをつくりだす「事大主義」という病
貴乃花親方が「電撃引退」を発表した。この報道を受けて、あるジャーナリストはこのように解説した。 「まあ、自尊心の強い人ですからね。一兵卒にはなったけれど結果が出なかった。それが我慢できなかったのでしょう」。なぜこのジャーナリストは「印象操作」とも言えるようなコメントをしたのか。その背景には、日本人の根深い問題がからんでいて……。 - 試合後の会見を拒否した、巨人・高橋由伸監督の「過ち」
巨人の高橋由伸監督が、試合終了後の会見を拒否した。この行動に対して、多くのメディアは優しく報じているが、本当にそれでいいのだろうか。指揮官の会見拒否には意味がなければいけないのに、高橋監督は何を考えているのかよく分からなくて……。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - 卓球王者の張本が、いまひとつ支持を得られない要因
全日本卓球選手権の男子シングルス決勝で、14歳の張本智和が王者・水谷隼を破って優勝した。最年少優勝の偉業を達成したのに、いまのところ“張本フィーバー”は起きていない。なぜ新王者がいまひとつ支持されないかというと……。 - なぜ地図で「浅草寺」を真ん中にしてはいけないのか
地図を作成している編集者に、2枚の地図を見せてもらった。1枚は浅草寺が真ん中に位置していて、もう1枚は浅草寺が北のほうにある。さて、実際に地図に掲載されているのは、どちらなのか。答えを聞いたところ、予想外の結果に!?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.