2015年7月27日以前の記事
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ドコモが信用スコア提供 金融機関が融資に利用回線契約者のビッグデータから信用スコアを算出

携帯電話契約者の情報を使った信用スコアの提供に、NTTドコモが乗り出す。ビッグデータを解析して得た信用スコアを金融機関に提供し、金融機関は融資の際の審査に利用する。第一弾として、新生銀行が個人向けの無担保小口融資を2019年3月から提供する予定だ。

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 NTTドコモが、回線契約者の情報を使った個人の信用スコアの提供サービスに乗り出す。信用スコアを金融機関に提供し、金融機関が融資審査に利用する。「ドコモが取得しているビッグデータからお客さまごとの信用スコアを算出する。金融機関はそれを利用して、お客様に最適な融資プランを提供できる」(NTTドコモの吉澤和弘社長)


左からマネーフォワードの辻庸介社長、NTTドコモの吉澤和弘社長、新生銀行の工藤英之社長

 第一弾として、新生銀行と提携。同行は信用スコアを使った個人向けの無担保小口融資を、「新生銀行スマートマネーレンディング」という名称で2019年3月から開始する予定だ。ドコモが提供するスマートフォンアプリ「レンディングプラットフォーム」上で、申し込みから融資実行まですべて操作でき、カードなどは不要になっている。

 「従来の融資は、申し込み時に確認する属性情報と信用情報を中心に審査してきた。今回は、従来項目に加えて、ドコモのビッグデータに基づいた信用スコアを活用する。ユーザー視点でいうと、ドコモのスマートフォンの利用状況によって優遇金利を受けられることになる」(新生銀行の工藤英之社長)


融資の審査から申し込みまで一連の操作を行えるスマートフォンアプリ「レンディングプラットフォーム」の動作イメージ。融資を申し込む銀行を選び、借り入れたい金額を選ぶ。別途自分の銀行口座と連携すれば、マネーフォワードの機能を用いて家計診断が行われ、返済についてのアドバイスも表示される。なお融資審査依頼から、審査承認までは即時とはいかず1日程度かかる見込みだ。

 信用スコアは「ドコモスコアリング」と呼び、契約内容、回線の利用期間、携帯料金の支払い履歴、コンテンツ・サービス利用状況などからスコアを算出する。スコアは金融機関だけに提供され、利用者は自分のスコアを知ることはできない。


信用スコア算出に利用する要素のイメージ

 また、家計簿アプリ大手のマネーフォワードと提携し、マネーフォワードが持つ個人の銀行口座連携機能をもとに、最適な返済計画を提案する機能も提供する。さらに、ドコモが提供するサービスと連携し、ドコモの送金・決済サービス「ドコモ口座」に融資額を入金し、それをセブン銀行のATMから出金することも可能だ。

 回線契約者情報を用いた信用スコアサービスは、ソフトバンクとみずほ銀行が合弁会社「J.Score」を通じてすでにサービスを提供している。ドコモは今後、全国の金融機関にも順次信用スコアを提供していく計画だ。

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