インタビュー
「小さなプロジェクトの集合体」が世の中をよりよくする――ポストミレニアル世代の幸福論:ニーズを拾い、集める(3/4 ページ)
「ポストミレニアル世代」のベンチャー経営者、Yokiの東出さんに、日本のスタートアップシーンに対する考えや「小さなプロジェクトを立ち上げやすい環境」をつくる目的、そして「幸せ」についても尋ねてみた。
WORK MILL: お話を伺っていると、とてもユニークな視野で物事を考えていらっしゃる気がします。東出さんはどうやって、今のような考え方をするようになったのでしょうか。
東出: よく聞かれるんですけど、分からないんですよね……。ただ、事実として挙げられるのは、僕がひとりっ子だった、ということ。だから、ずっと一人で妄想してるような子どもだったんです。妄想が止まらなくて、寝られなくなって徹夜したり、忘れるのが怖くて、あわててスケッチしたりするくらいだった。でも最近は「バタンキュー」で妄想する余裕もないので、このままじゃいけないなぁ、と思ってるんですけど。
WORK MILL: 「妄想で寝られない」って、強烈ですね。同年代の方はむしろ、「自分は何に向いているんだろう」「自分がどうしたらいいかわからない」と悩んでいる人が多いのでは?
東出: 確かに、僕は「こういうことがしたい」という考えは、わりと持っているほうだと思います。ただ、「今やっていることが正しい」とは思っていないんですよ。それしかやる方法がない、というか……。朝起きるのが苦手だし、定時に会社へ行くのも絶対ムリ。自分で空間をデザインできるような環境にしかいられない。ダメ人間なんですよ。そういう意味では、これしかないのかな、という感じなんです。
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