「全国のホステルに泊まり放題」が広がれば、どんな人が増えるのか:水曜インタビュー劇場(お帰り〜公演)(6/7 ページ)
日本のホステル界で、ちょっとした異変が起きている。月額制のパスを購入すれば、全国のホステルに泊まることができるのだ。このサービスが広がれば、「旅をするような暮らし」「二拠点生活」を送る人が増えるかもしれない。
ホステルとの付き合い方が変わる
土肥: 「ホステル、泊まり放題」と聞くだけで、面白い取り組みをしているなあと感じるのですが、それだけではありません。この仕組みは全国に広がっているようですね。
柚木: 宿泊できるのは、札幌、東京(2軒)、伊豆大島、成田、金沢、京都、大阪、長崎、屋久島の10ホステル。現在はドミトリールームしか泊まれませんが、将来的には個室も利用できるプランができればなあと。
土肥: 「ウチも仲間に入れてよ〜」といった声もあるのでは?
柚木: たくさんいただいていまして、近い将来、100施設ほどと提携できるかもしれません。
土肥: おー! そうなるとホステルに対するイメージが変わってくるかも。
柚木: 旅行のために泊まるのではなくて、いろんなところに家があってそこに帰るといったライフスタイルが生まれるかもしれません。例えば、明日の朝、北海道に行かなければいけない場合、成田のホステルに泊まって、早朝便の飛行機に乗る。そして、札幌に泊まる。初めての人でも「パスの人ですよね。ワタシもそうなんですよ」といった会話ができて、すぐにその場を楽しめるかもしれません。
土肥: ホステルがつながると、これまでになかった関係が生まれるかもしれない。このほかにも何か考えていますか?
柚木: 賃貸住宅やシェアハウスに、パスが含まれた仕組みを実現できればなあと考えています。その物件に住んでいると、全国のホステルを利用できるといった形ですね。普段は家で生活をして、気分を変えたいときにはホステルに泊まるといった人が出てくるかもしれません。
土肥: いやはや、夢が広がりますね。10年ほど前から、カプセルホテルに変化が出てきました。オシャレであったり、若い人をターゲットにしたり、高価格にしたり。その一方で、ホステルは昔のままで……といった印象がありますが、泊まり放題にしたり、全国の施設と提携したり、賃貸物件に組み込んだり。これまでにはなかった楽しみ方がひとつ増えそうで。本日はありがとうございました。
(終わり)
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