「70点の及第点狙いじゃ、その先に何もない」 ココナラ・南章行社長:【新連載】神田れいみの「突撃! 社長のガチンコ人生論」(4/5 ページ)
フリーアナウンサーの神田れいみです。この連載ではさまざまな業界で活躍する経営者にインタビューし、彼ら自身の「働き方」や「生き方」に迫ります。第1回目は、ココナラの南章行社長にお話を聞きました。
なぜ100点を目指すべきなのか?
例えば、「赤点取らなければいいや。平均点超えてればいいや」という学生のようなスタンスで意思決定を続けていると、前には進むけど何も生まれないと南さんは言います。70点でとりあえず及第点だったとしても、その先何があるのかと。「100点目指して全力で取り組むプロセスが大事」であり、そのためには「100点を目指したくなる対象にたどり着くこと」だと、南さんは語気を強めます。
70点を100点に持って行くのは大変です。それでも、なぜ100点を目指すべきなのでしょうか。まずはどんなことでもよいので何かを本気でやってみると、喜怒哀楽、何かしらの感情が湧いてきて、そうすると自分が大切にしていることや好きなこと、嫌いなこと、そして自分の「素」を発見できるからだといいます。その結果、より頑張れる対象に近づいていき、そこで頑張るとさらに新たな自分を発見できる。100点を目指すための行動と、そこで手にした経験の積み重ねが、自分の中の本当の価値観を育ててくれるのです。
例えば、ブラストビートでは、学生が追い込まれる状況があります。南さんは以前、ライブが終わった後に学生に泣きながら怒られたことがありました。「結果的に成功したから良かったけれど、もう一歩追い詰められていたら気がおかしくなっていました」と言われたのです。
それ聞いて南さんはこう返しました。「僕たちは、ギリギリ崖から落ちないところがどこなのかを経験上知っているので、どこまで追い込んで平気なのかを分かっているんだよ」。
次のイベントではその経験をした学生たちがサポーターに回るのですが、そこで初めて成長のために苦しんでいる状態をあえて見守っていたことに気付き、納得するのです。「若い人は自分で意思決定して、失敗したり恥をかいたりするのを繰り返すことが、成長のために大事だと思いますね」と南さんは力を込めます。
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