連載
“あの事件”の舞台・新潟県十日町市で味わう自然 「サンクス・ツーリズム」のススメ:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(4/7 ページ)
首都圏に住む人々は新潟県十日町市に借りがある。かつてJR東日本が「事件」を起こしたが、7年前には電力不足を救ってくれた。できれば観光に行こう。暮らしを支えてくれる地域に感謝して訪ねる「サンクス・ツーリズム」を提案したい。
足元を見るとブナの種が落ちている。今年は7年ぶりの豊作だそうで、近隣施設の「森の学校キョロロ」で収集を呼びかけている。ブナ林の保存活動に役立てるそうだ。20粒ほど拾ってみたけれど、たくさんあってキリがない。遠足の子どもたちに拾わせたら盛り上がりそうだ。
美人林にいた写真家に、次の見どころとして「星峠の棚田」を教わった。十日町市は丘陵に作られた棚田の風景も名物だ。特に星峠は日の出と組み合わせると良い景色が撮れるそうで、星峠を撮ってから美人林というコースが写真家の定番だという。「森の学校キョロロ」に立ち寄って、星峠までは約20分のドライブ。やはり景色がいい。
星峠から眺める棚田は確かに独特の良い景色だった。コメの収穫は終わったようだけど、前日からの雨のおかげで水田に水が満たされている。さまざまな形の田んぼが並び、高低差を持つステンドグラスのようだった。ここで採れるお米は高級品種の魚沼産コシヒカリ。「棚田米 星峠コシヒカリ」というブランドもある。
関連記事
- 鉄道と生まれ変わった宮城県女川町を旅した
東日本大震災で市街の大半が消失し、復興の過程にある宮城県女川町。石巻線の全線復旧から1年10カ月、駅前商業施設「シーパルピア女川」のオープンから1年が過ぎた。新しい町に人々が列車で訪れる様子を見て、鉄道がある町の活気を感じた。 - JRの“大回り乗車”で房総半島1周 海を眺めて名物駅弁を食べる
JRの大都市近郊区間のみを利用する場合の「特例」を利用して、大回り乗車を楽しむ旅。今回は房総半島方面に向かう「海編」。 - 160円でJRを“大回り乗車” 新緑と彩り駅弁、唐揚げそばを味わう12時間
もうすぐ大型連休。鉄道に乗ることを楽しむ「乗り鉄スタイル」のお手軽な旅をご紹介。JR運賃の特例を使って、渋谷から160円で“大回り乗車”してみると……。 - 「そうだ 京都、行こう。」はなぜ25年も続き、これからも続いていくのか
JR東海のキャンペーン「そうだ 京都、行こう。」が25周年を迎えた。なぜこのキャンペーンは始まり、今も続いているのか。京都がJR東海にとって重要だから、というだけではない。新たな目的もありそうだ。 - 自動運転路線バス、試乗してがっかりした理由
小田急電鉄が江の島で実施した自動運転路線バスの実証実験。手動運転に切り替える場面が多く、がっかりした。しかし、小田急は自動運転に多くの課題がある現状を知ってもらおうとしたのではないか。あらためて「バス運転手の技術や気配り」の重要性も知った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.