ファミマの「うまいパン決定戦」 発案はみんなでワイワイ「社長メシ」:あなたはどのパンを推す?(2/3 ページ)
ファミマが11月27日から「うまいパン決定戦」を開催する。全国のパンメーカーが決定戦のために独自商品を開発して、売り上げを競う。このユニークなイベントは、社長と社員らがランチをとる「社長メシ」の“軽いノリ”から生まれた。
中食で売り上げ1位のパンを強化
現在、大手コンビニチェーン各社は中食分野を積極的に強化している。ファミマの中食カテゴリー全体において、パンは売り上げ構成比の約20%を占めている。そのため、商品・物流・品質管理本部 デリカ食品部 部長の木下紀之氏はパンを「非常に重要なカテゴリー」と位置付けている。
今回、フルーツをテーマにした理由は、菓子パンの中で人気のフレーバーであることはもちろん、開発の幅が広がりやすいからだという。例えば、カスタードやチョコをテーマにしてしまうと、品ぞろえが広がりにくいとファミマは判断した。
「各ブロックで1位を決める」という方法を採用したのにも理由がある。各地域のお店で「当店の推しパンはこれ」などと打ち出すことで、地域密着型の楽しい買い物体験をお客に提供する意図がある。
きっかけは「澤田めし」
決定戦のアイデアが生まれたのは、澤田社長と社員のランチイベントである「澤田めし」だった。澤田社長の予定が空いているタイミングにあわせて、秘書などが一緒にランチをとるメンバーを選出。これまで220回開催され、のべ1600人が参加したという。澤田めしの雰囲気は非常にざっくばらんなもので、パンを担当する社員との会話が盛り上がったことで、今回のイベントを発案するに至った。さらに、パンメーカーに協力を依頼したところ、各社とも前向きな対応だったという。
決定戦の構想を発表する記者会見では、各パンメーカーの担当者がピンク色の法被を着たり、被り物を装着したりしていた。さらに、限られた時間内で寸劇なども交えて商品をアピールする場も設けられ、通常とは全く雰囲気が異なる記者会見だった。
澤田社長は会見中、何度も「楽しく仕事をしよう」というコメントを繰り返していた。ファミマやパンメーカーの社員が楽しみながら企画した商品なら、きっとお客も楽しんでくれる。そんないい意味での“軽いノリ”が生んだのが、うまいパン決定戦なのだった。
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