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公務員65歳定年制の導入は「若者の賃金搾取」と「解雇規制緩和」の序章だ:美名のもとに遂行される「政府シナリオ」(4/5 ページ)
政府は公務員の定年引き上げを検討している。この動きが民間にまで波及すれば法定定年年齢の65歳への引き上げにつながり、70歳までの雇用確保を義務付けるという「政府のシナリオ」が現実味を帯びつつあるのだ。その先にあるのは……。
現役世代にも影響は飛び火
ところで高齢者雇用の促進は自分たちとは関係のない話と思っているかもしれないが、実は現役世代にも大きな負担をもたらす可能性もある。
なぜなら多くの企業が65歳までの再雇用制度を導入しているものの、今以上の法的な雇用年齢の引き上げを望まない企業が多いからだ。安倍首相が「未来投資会議」で継続雇用年齢の引き上げを打ち出したことに、経団連の中西宏明会長は「一律の制度はいかがなものか」との懸念を表明している。
また、大手総合電機メーカーの役員も「70歳まで雇用するのはいいが、それ以前にジョブデスクリプション、つまり、会社として必要な仕事とその仕事を遂行できるシニアとがマッチングできていないと、とんでもないことになる。会社としては必要な仕事もできないシニアを雇ったとしても、負担でしかない」と言い切る。
一部上場企業のネット広告業の人事部長はこう語る。「65歳まで再雇用するのも大変なのに70歳なんてとんでもない話だ。当然人件費は増える。今の再雇用者は毎年50〜60人程度とそれほど多くはないが、その下の世代のバブル期入社組が多く、4〜5年後は毎年数百人単位で増えていく。会社の体力が5年後も続くか分からないし、事業が縮小すると雇用するのも厳しくなる」
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