AKB48・岡田奈々のプレゼン術 あの名言はいかにして生まれたか:アイドルというキャリア(4/5 ページ)
AKB48グループが年に1度開催する選抜総選挙。そのイベントの中で目玉の一つがメンバーによる壇上でのスピーチだ。ここに並々ならぬ思いを込めている岡田奈々さんはどのような姿勢でプレゼンテーションに臨んでいるのだろうか。
一言一句シナリオを考えていても、プレゼンテーションの現場で視界に飛び込んできた光景や、耳に入ってくる音などで気持ちがたかぶり、まったく想定しないことを口にしてしまうこともある。これは誰しもが経験のあることだろう。
しかし、岡田さんの場合、頭が真っ白になって自分でもわけもわからないことを言ってしまうことはない。常に自分のスタンスを崩さず、日ごろから同じ考えを持ち続けているので、たとえ本番で予定していたセリフと違うことを言ってしまっても、伝えたい思いは結果的にブレてはいないのだと岡田さんは話す。
逆に、現場の空気感でさらにプレゼンテーションの内容が研ぎ澄まされたり、盛り上がったりするという効果も生まれているようだ。足が震えるほど緊張するというが、いざステージに立って大観衆を目の前にすると、不思議と落ち着いた気持ちで、堂々と話すことができるのだという。
「何だかんだ言っても、ステージに立って、歌ったり踊ったり、お話ししたりと、表現することによって皆さんに思いを伝えているときが一番幸せですし、生きている実感がわきますね」と岡田さんは力を込める。
なお、選抜総選挙のスピーチに対する向き合い方は、メンバーさまざまだという。
「たかみな(高橋みなみ)さんに以前、どうやったらそんなにスピーチがうまくなるのですかと聞いたことがありました。そのときに、たかみなさんは考えてないと言ったんですよ。本当にその場の状況でとっさにセリフが出てくると言っていたのがすごく印象的で、天才だなと思いました(笑)。私はそういう天才にはなれないので、事前にしっかり全文を考える準備をしているわけです」
関連記事
- 「何度失敗しても、私が前を向き続ける理由」 AKB48・岡田奈々の生きる道
真っ直ぐに頑張っている人が報われるように――。こうした思いを持ち続けて、日々奮闘する女性がいる。アイドルグループ、AKB48の岡田奈々さんだ。彼女の人生を紐解いていく。 - 女子アナから働き方を変えた前田有紀さんがいま伝えたいこと
テレビ朝日のアナウンサーとして活躍した前田有紀さんは、入社10年という区切りの年に退社。そこからフラワーやガーデニングの世界に飛び込んだ。彼女自身の歩みを振り返りながら、いま、そしてこれからをじっくりと語ってくれた。 - AKB48選抜総選挙、沖縄開催の“本当”の理由
今週末に沖縄で「AKB48選抜総選挙」が開催される。同イベントは毎年大きな経済効果を生み出していて、今や地方の企業や自治体にとっても喉から手が出るほどのものになった。これまでは姉妹グループがある都市で開かれていたが、現状その条件に該当しない沖縄は“異例”。その舞台裏に迫った。 - 辛くても諦めず 「キャプテン翼」高橋陽一さんの漫画家人生
日本のサッカー界に大きな影響を与えた少年漫画「キャプテン翼」。作品のテーマである、諦めずに夢を追い続けることは、作者である高橋陽一さんの漫画家人生そのものである。 - 就活をやめてエストニアへ そこで私が確信した日本と世界のキャリア観の決定的な違い
普通なら就職活動真っ只中の期間である大学3年生の1月から大学4年生の6月までの約半年、就活を中断してエストニアに留学中の筑波大学4年生、齋藤侑里子さん。そんな彼女が現地で感じた、日本の就活への違和感、グローバルスタンダードなキャリアの築き方とは――。 - ドラゴンボールの生みの親 『ジャンプ』伝説の編集長が語る「嫌いな仕事で結果を出す方法」
『ドラゴンボール』の作者・鳥山明を発掘したのは『週刊少年ジャンプ』の元編集長・鳥嶋和彦さんだ。『ドラゴンクエスト』の堀井雄二さんをライターからゲームの世界に送り出すなど、「伝説」を残してきた鳥嶋さんだが、入社当時は漫画を一切読んだことがなく『ジャンプ』も大嫌いだった。自分のやりたくない仕事で、いかにして結果を出してきたのか。 - プロ野球選手からビジネスマンに “生涯現役”貫く江尻慎太郎さんの人生
2001年にドラフトで日本ハムファイターズに入団。その後、横浜ベイスターズ、福岡ソフトバンクホークスでプロ野球選手としてのキャリアを過ごした江尻慎太郎さん。現役引退後、彼が選んだ道はビジネスマンだった。江尻さんの仕事観、人生観に迫った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.