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「毎日コツコツと努力を重ね、ついに見えてきた夢」 AKB48・岡田奈々の信念アイドルというキャリア(3/6 ページ)

小さいころから歌手になりたいと思っていた岡田奈々さんは、14歳でAKB48に入り、アイドルという仕事に就いた。プロとして働く中でさまざまな経験を積み、自らの生きがいや新たな夢を見いだしたという。

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コミュニケーションは自然体で

 どんな仕事であれ、欠かせないことの1つが「コミュニケーション」だ。岡田さんの場合、大勢のメンバーやスタッフ、さらにはファンとの対話も日常的である。コミュニケーションを取る上で意識していることはあるのだろうか。

自分をさらけ出すことが大事(撮影:福田栄美子)
自分をさらけ出すことが大事(撮影:福田栄美子)

 「完璧すぎないことですね。他人と話すときに、誰しもが良い人でありたいと思うし、失敗しちゃいけないと思いがちですよね。けれども、逆に自分の弱点をちょっと見せることで、親近感が湧くし、腹を割って話せるようにもなります。まずは積極的に話し掛けにいったり、自分の素顔を出したりすることが、相手との距離を近づけるのかなと思っています」

 自分から心を開かなければ、相手もそれに返してくれない。まずは自分自身をさらけ出すことが何よりも大事だと岡田さんは考える。「そうすると私もすごく楽ですし、ありのままでお互い話せるのが一番だと思うので、偽らず、自分をしっかり出していきたい」。

12月8日に開かれた「AKB48劇場13周年特別記念公演」にて(C)AKS
12月8日に開かれた「AKB48劇場13周年特別記念公演」にて(C)AKS

 加えて、岡田さんが繰り返し使うのが「人間味」という言葉だ。とりわけ後輩メンバーやファンと接する上でより大事にするそうだ。

 「普通なら後輩にいい姿を見せたい、カッコいいところを見せたいと思うわけですけど、それだけでは駄目で、人間味も出すようにしています。ファンの方たちにも自然体で接しています。握手会はファンの皆さんと直接コミュニケーションを取る一番の機会ですが、あえて取り繕わずに、かわいいアイドルでいようとするよりも、自然体の人間でいたいなと思っています。ファンとアイドルという関係性よりは、本当に同じ人間として、一人一人と向き合いたいのです」

 立場に応じて態度や振る舞いを変えたりせず、一人一人を大切にする。これは岡田さんの仕事観にも通じる。仕事への心構えについて、岡田さんは「とにかく周りの存在に感謝し、当たり前のことを大事にしたいなと思っています。周りを愛せば、きっと自分も愛される存在になれると思うので、まずは自分があらゆるものに対して愛情をもって接していきたい」と話す。

 こうした考えに至るのは、幼いころから愛情を注がれて育ったことで、人一倍、利他の精神が強いことがあるのかもしれない。しかし、それ以上にAKB48でのさまざまな経験、つまり楽しいときも苦しいときも多くの人たちに支えられた経験が、今の境地に導いているのだろう。

 2018年1月に行われたソロコンサートの劇中に流れた映像メッセージで、岡田奈々という人間についてメンバー数人がコメントする場面があった。彼女が所属するAKB48 Team4のキャプテンだった峯岸みなみさんは「嘘」と表現した。これは平静を装って頑張りすぎてしまう、無理し過ぎてしまう岡田さんをよく知っていることからくる愛情表現だろう。このように岡田さんの本心をよく知る人たちに囲まれていることも岡田さんの心のよりどころになっているし、だからこそ、そうした人たちを自分も愛したいという気持ちがあるのだ。

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